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"毎朝「出ていけ」と怒鳴る隣人、測量の日に顔色が変わった" 第11話

柿のの向こう

の半ば、勝夫さんがで訪ねてきた。玄関をけると、彼は子をに持ち、くをげた。

「しず子さん、すまなかった。親父の顔にを塗るようなことをしてしまった」

「どうぞ、をげてください」

「うちの残りのを売って、使用料を払うことにした。はけまでに壊して、はきれいにして返す」

沼さんは納得していないという。けれど、勝夫さんは、親戚にも相談し、これ以先延ばしにできないと決めたらしい。私は、彼の言葉を聞きながら、昔のことをいしていた。祖父と勝夫さんの父親は、縁側で将を指していた。勝負のたびに、父は笑いながら「また負けた」と言っていた。

「勝夫さんのお父様と祖父が、縁側で将を指していたのを覚えています。私もまださかったけれど、がよく笑っていたことは覚えています」

勝夫さんは顔をげた。

「親父は、あのを借りたことを、俺に度も話さなかった。返す約束があったなんて、今までらなかった。もっとく聞いていれば、こんなことにはならなかったのかもしれない」

「誰にも、言えないことはあります。私も、ずっと帰りたいとっていたのに、のことを考えて言えなかったことがあります」

勝夫さんは何も言わず、をげた。

の終わり、ゴンダさん夫婦はくのアパートへ移った。

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荷物を運びす、沼さんは私の方を見なかった。勝夫さんは、最にので「い、迷惑をかけた」とをげた。私は「お元気で」と答えた。

け、の取り壊しが始まった。きな音が何も続き、柿のの枝が揺れた。がなくなると、裏庭に差しが入るようになった。沼さんが「洗濯物が目障り」と言った所も、今は何もない。

の終わり、林さんと産会社の森さんに来てもらい、返してもらったをどうするか相談した。

「で暮らすには、ここまで広くなくてもいいんです。の部を分けて売ることはできますか?」

林さんは測量図を見ながら、分ける位置を説した。境界は確認と測量記録で決まっている。森さんによると、裏のとわせれば、しいを建てるのにちょうどいい広さになるという。

「おじいさんが気持ちで貸したです。今度は、次の方に使ってもらおうといます」

とめさんは、うれしそうに頷いた。

、とめさんが施設へ移るが来た。私は、とめさんの荷物をに積むのを伝った。

「しず子ちゃん、私ののことも、あんたののことも、ちゃんと片がついたね」

「とめさんが古い類を探してみたらと言ってくださったからです」

「私は自分の押し入れを片付けてただけだよ。あんたがいたんだ」

「本当にありがとうございました」

「よしとくれ。たまには遊びにおいで。あそこの朝ご飯は、ちょっとがいけどね」

とめさんは笑った。私はその言葉に笑い返しながら、胸の奥がし寂しくなった。

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