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"結婚23年目、35万円を渡した妻が持ち帰ったもの" 第6話

次の帰省

翌朝、私は会社へ勤するに、休暇の申請について司に相談した。まとまった休みを取るのは久しぶりだったが、来の予定を調すれば何とかなる。

昼休み、会社の堂で同僚の田に話すと、彼はそうに眉をげた。

「奥さんの実に緒にくのか。いいじゃないか」

「今まで緒にったことがなかったんだ」

「そういうこと、結構あるよな。毎緒にいると、分かった気になるから」

私は返事をせず、噌汁をんだ。田の言葉が、胸のに残った。

に帰ると、は母親に話をしていた。受話器を置いた彼女が、私に振り向く。

「母が、あなたによろしくって」

「次は緒にくと伝えたのか?」

「ええ。すごくんでいたわ。『あのに会うのは結婚式以来ね』って」

私たちが結婚してから、母親と直接会ったのは父親の葬儀のと、息子がまれたに度だけだった。そのも、母親は居をしなかった。さな孫を抱き、夕方にはへ帰っていった。

「お母さんも、ずっと気を遣っていたんだな」

「そうね。母は、誰かに迷惑をかけるのを嫌がるなの」

「俺も同じように見えていたかもしれないな。おが慮していることを、気遣いだとっていた」

は首を横に振りかけたが、すぐにやめた。無理に私をかばわなくていい。そうって、私は言葉を続けた。

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「今度からは、きたいにこう。俺も予定を聞くから」

「ありがとう。でも、まずは母の様子を見ながらね。無理はさせたくないわ」

は母親の体調を気にしていた。帰省から戻った、母親はったより元気そうだったと言っていたが、歩く速度は以より遅くなっていたらしい。畑仕事も減らし、買い物には所のにで乗せてもらうことがあるという。

私たちは、次の帰省で何をするかを話した。母親を連れての堂へく。の周りを歩く。気がよければ、川を見にく。は昔のがまだ残っているか、確かめたいと言った。

「あなたは、川のそばにったことがないものね」

「写真を見ただけだ」

「じゃあ、今度案内するわ」

はそう言って笑った。私はその笑顔を見ながら、今まで何度も見ていたはずなのに、初めて見るような気がした。

その週末、私はで買い物にた。がいつも買っている茶葉や、母親が好きだという菓子を探すためだ。員に聞きながら品物を選び、帰宅すると、は包みを見て目を細めた。

「これ、母が好きなの。どうしてっていたの?」

「に話していたよ。覚えていたつもりだったけど、今になっていした」

彼女は包みを受け取り、何度も礼を言った。

私は、ので彼女が毎してくれていることも、しずつ覚えるようにした。

事のに自分の皿を洗う。洗濯物を取り込む。ゴミのを確認する。どれもしたことではない。それでも、がで抱えていたことを、私はようやく自分の目で見るようになった。

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