"雪道を走る父の約束" 第9話
青森の朝
目を覚ましたとき、窓のはるくなっていた。健造は首を回し、肩をほぐす。体はまだかったが、発したときよりはがはっきりしている。筒のお茶はぬるくなっていた。残りをみ干し、計を確かめた。
のはし減っていた。健造は慎にり始める。を抜けると、町の灯りが見えてきた。トラックの窓の向こうに、の残る畑や根が続く。国をるの数も、しずつ増えていた。
午頃、ようやく青森の並みが見えてきた。京をてから、およそ。健造は青森内の問の倉庫へトラックを入れた。荷受けの男が、ストーブで温めたお茶を湯みに注いでくれる。
「いところ、ご苦労さん。は丈夫だったかい」
「峠でし止まりましたが、何とか」
健造は伝票を渡し、荷台の幌をした。倉庫のたちと緒に、段ボールを箱ずつろしていく。医療品は濡らさないように先に運び、正用品は数を確かめながら棚のへ並べた。積んできたときより、荷台はずいぶん軽くなった。
すべての荷物をろし終えると、健造は伝票に受領印をもらった。倉庫のが、帰りの荷物として青森のりんごを箱で積んでくれることになった。
「に持って帰る分もし分けておいたよ」
そう言われ、健造は礼を言った。
広告
誠への産にちょうどいい。箱から漂うりんごの匂いを嗅ぎながら、誠がぶ顔をい浮かべた。
計を見ると、もう昼にい。健造はし休みたいとったが、配係から次のき先をらせる連絡が入っていた。帰りの荷物を京まで運ぶ仕事がある。積み込みが終わったら、なるべくくてほしいという。
健造は倉庫のに頼み、堂で温かいそばをべた。箸を持つがし震える。疲れがたまっているのだろう。事を終えると、倉庫の休憩でだけ横になった。布団はない。子に着を丸めて置き、目を閉じる。
誠のお守りを胸ポケットから取りし、濡れていないか確かめた。青いクレヨンはしくなっている。健造はを丁寧に畳み、また胸ポケットへしまった。
帰りの荷物は、青森のりんごだった。箱はく、積み方にも気を遣う。荷台のに偏らないように並べ、隙へ板を挟む。幌をかけ、ロープを締めた頃には午になっていた。
青森の空は曇っている。健造は京へ話をかけたいとったが、公衆話の所を探すはなかった。誠には、帰りから度連絡すると決めた。トラックのドアを閉め、運転席へ乗り込む。帰りもい。健造は、まずくの町までることにした。