みかん小説
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"雪道を走る父の約束" 第8話

ののチェーン

午、健造は国号のい峠へ差しかかった。標は百メートルほど。の両側にはが積もり、除が通った跡にも、いがまたり積もっている。田が言っていたとおり、チェーンなしでは登れそうにない。

健造は、空きにトラックを止めた。チェーンを巻くため、運転席からりる。は膝までは届かないが、元をすぐ濡らした。袋をしていても、鎖を扱う指先はえていく。鉄のチェーンを持ちげ、タイヤの内側から回していく。慣れていても、のではがかかった。

「あとしだ」

自分に言い聞かせながら、最の具を留める。袋は濡れてくなり、指の覚がなくなっていた。チェーンが緩んでいないか、タイヤをしかして確かめる。問題がないのを見届け、健造は運転席へ戻った。

トラックはいギアで、ゆっくり峠をり始めた。チェーンが面をかむたび、ガシャン、ガシャンと音が響く。坂ではエンジンが唸り、体がきく揺れた。アクセルを踏みすぎれば、輪が空回りする。健造はハンドルをまっすぐに保ち、のとの距をあけた。

峠の頂にづいたとき、先していたトラックがの脇で止まっていた。運転がを振っている。チェーンがれたらしい。健造は全な所にトラックを止め、りて様子を見にった。

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「伝うよ。ひとりじゃ変だろ」

「すまんな。片方がずれてしまって」

でチェーンを掛け直した。相の運転は、袋を替える余裕もなく、指先を息で温めながら具を締めていく。健造も同じように、えた指をかした。やがてチェーンはしっかり固定された。

「これでりもいけそうだ」

「りこそゆっくりだな」

はく言葉を交わし、それぞれの運転席へ戻った。峠の向こうには、まだ暗が広がっている。りはりより怖い。健造はエンジンブレーキを使い、の速度を抑えながら、しずつ坂をった。

ダッシュボードには、誠のお守りが置いてあった。体が揺れるたび、のお守りもさく揺れる。健造は度だけ目を向け、すぐにへ線を戻した。

「の晩には帰る」

誠との約束を、ので繰り返す。へ帰るためにも、ここで無理をしてはいけない。健造は、眠気がくなったらまた止まると決めていた。

峠を越えた先の空きで、健造はもう度トラックを止めた。エンジンをかけたまま、座席にもたれて目を閉じる。ほんのしでも眠れればいい。の音も、エンジンの音も、やがてのいていった。

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