"雪道を走る父の約束" 第7話
峠ので
午を過ぎた頃、健造はハンドルを握るに力が入らなくなるのをじた。眠気は、しずつではなく、波のように押し寄せる。まぶたがくなり、の線がぼやける。健造は窓をさらにけ、たい空気を顔に当てた。
「あとしだ」
声にして、自分を起こす。だが、峠へづくほどは悪くなった。面にはが積もり、タイヤがときどき滑る。トラックの荷台から、幌を押すの音が聞こえた。健造はハンドルを握り直し、速度を落とした。
をるの赤い灯りが、ので揺れている。健造はそのかりを見失わないようにった。しばらくして、のきが急に遅くなった。脇にさな乗用が止まり、ろに渋滞ができかけている。健造は、を空けてゆっくり止まった。
その瞬、識が度途切れた。
きく体がへ倒れ、額がハンドルに当たる。クラクションが鳴り、健造ははっと目を覚ました。トラックは止まっていた。の乗用にぶつかる寸だった。が震え、臓が速く打っている。額には痛みがあったが、血はしていない。
ろから来たトラックの運転がりてきて、窓を叩いた。
「おい、丈夫か。寝てたんじゃないのか」
「し、識がんだ」
「この先は峠だぞ。今のままじゃ危ない。どこかで休め」
健造は返事をしなかった。
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休めば遅れる。会社に戻ったら何を言われるか。荷物を待っているにも迷惑がかかる。そんな考えが、すぐに浮かんでくる。
「でも寝ろ。荷物は逃げない」
相の運転は、呆れたように言った。健造は、胸ポケットから誠のお守りを取りした。には、青いクレヨンの線が何本も引かれている。誠の「滑らないように」という言葉をいす。
健造はトラックを脇の広い所へ移させた。エンジンを切ると、内が急に静かになる。運転席をし倒し、タイマーも計も使わず、体を横にした。眠るつもりはだけだったが、目を閉じた途端、識がく沈んでいった。
目が覚めたとき、はまだ暗かった。計を見ると、ったよりは過ぎていない。健造は筒のお茶をみ、をこすりわせた。休んだのはほど。それでも、目の奥のさがしれている。
休憩を挟んだ運転が、窓越しに親指をてた。健造も軽くをげる。トラックのエンジンをかけ、ゆっくりへ戻った。今度は、自分の眠気を無せず、しでも危ないとったら止まると決めた。