"終電の次の駅は私の名前――ホームには亡き祖母がいた" 第11話
名簿の空席
祖母の周忌にけなかった私は、今度こそ墓参りにこうと決めた。会社を休むと伝えると、司はし嫌そうな顔をしたが、私は謝らなかった。仕事は、誰かが休めば残ったが引き受ける。今まで自分がそうしてきたように、私の分も誰かがやるだけだ。
実へ向かうに、私は浦さんの席があった両に乗ってみた。もちろん、あの夜の終ではない。夕方の普通だ。内は混んでいて、吊り革につかまったたちがスマートフォンを見ている。窓のには、見慣れた駅やコンビニのかりが流れていく。
それでも、私は何度も放送にを傾けた。駅名が呼ばれるたび、名が混じっていないか気になる。掌の声が、あの男性の声に似ていないか確かめてしまう。
祖母の墓にを供え、私はしばらくをわせた。
「おばあちゃん、あのときはごめんね」
写真のの祖母は、いつものように笑っていた。私は、忙しいことを理由に、祖母の話を切った。もうし話を聞けばよかった。度でも顔を見せにけばよかった。悔はいくらでもてくる。それでも、祖母は私を責めなかった。
帰り、私は会社の事に相談し、担当を減らしてもらえないか話をした。すぐに希望どおりになるわけではなかったが、なくとも、これまでのように何も言わずに抱え込むのはやめようとった。
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「美咲さん、仕事を断って丈夫なの?」
同僚にそう聞かれたとき、私は「丈夫かどうかは、これから考える」と答えた。以の私なら、迷惑をかけたくないとい、何でも引き受けていた。けれど、終ので自分の名を聞いてから、先延ばしにしていたことを考えるようになった。
それから数週、終に乗るは減った。毎定に帰れるわけではない。それでも、遅くなるときはタクシーを使ったり、同僚に相談したりするようになった。帰宅には、コンビニのパンだけで済ませず、温かいものをべるも増えた。
浦さんのことは、毎晩いした。彼は、いつも眠っているだけのではなかった。私がうなされているのに気づき、起こしてあげたいとってくれていた。話したことがなくても、私を気にかけていた。
ある夜、私はので、またあのに乗っていた。放送は、私の名を呼ばなかった。けれど、し先の席で、見らぬ男性が眠っている。私はそのの肩にを伸ばしたところで目が覚めた。
私は、そのを起こすべきだったのだろうか。のでさえ、答えは見つからなかった。