"終電の次の駅は私の名前――ホームには亡き祖母がいた" 第10話
もうひとつの終
空がるくなり始めた頃、私は始発のに乗って帰宅した。玄関をけても、部のは静かだった。を着替える気力もなく、そのままソファに座り込む。スマートフォンには会社からの連絡がいくつも入っていたが、私は返信しなかった。
そのは会社を休んだ。司には体調が悪いとだけ伝えた。返事は「分かりました。急ぎの資料はお願いします」だった。私は画面を見て、初めて自分が何に追われていたのかを考えた。
、布団ので眠った。目が覚めるたびに、の放送をいす。田辺しげる、、島優太、会社で倒れた男性。祖母。そして、自分の名。
翌、私は会社へった。いつもどおりの顔で席に座り、たまっていた仕事をいた。けれど、画面の文字がに入ってこない。昼休みに浦さんを探したが、姿が見えなかった。
夕方、浦さんの部署のに聞くと、彼は休んでいると言われた。
「昨の終で、具が悪くなったらしいです。族が迎えに来て、病院にったって」
私は胸騒ぎを覚えた。詳しいことを聞こうとしたが、相もよくらないようだった。翌朝、社内で浦さんがくなったと聞かされた。終ので眠ったまま識を失い、病院へ運ばれたが、助からなかったという。
私は、しばらく席からけなかった。
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浦さんは、あの夜、いつもどおり私の向かいで眠っていた。私が異界ので目を覚ましたとき、彼の席は空だった。
数、浦さんの葬儀に参列した。式のあと、浦さんのお母さんが、参列者にをげていた。私は、何を言えばいいのか分からず、しれてっていた。
「浦は、夜遅くまで働いていたみたいで……」
お母さんは、声を落として話した。
「あの子、から言ってたんです。終で、いつもうなされてる女のがいるって。起こしてあげたいけれど、話したこともないから、どうしようか迷ってるって」
私は、息をするのを忘れた。浦さんは、私が眠っているにうなされていることに気づいていたのだ。ので、何度も声をかけようとしていたのかもしれない。
「最のも、誰かを起こしたかったのかな」
お母さんはそう言って、目を伏せた。私は何も答えられなかった。あの夜、浦さんの席が空いていた理由も、彼がいつくなったのかも、分からないままだ。
葬儀の帰り、私は駅の券売で交通系カードの利用履歴をした。あの夜、私はどこでりたことになっているのかりたかった。履歴には、会社の最寄り駅から乗った記録はある。けれど、りた駅の欄は空だった。
私は、あのをりていないことになっていた。