"終電の次の駅は私の名前――ホームには亡き祖母がいた" 第7話
祖母の駅
ホームの祖母は、くなると同じカーディガンを着ていた。実の仏壇の写真で見た顔より、し若く見える。祖母は、話をかけてきたあの夜と同じ調で、私のことを配していた。
「ちゃんとべてるかい?」
私は返事をしようとしたが、喉がつまって声がなかった。仕事に追われ、事はコンビニのパンやおにぎりで済ませていた。べるがないというより、ゆっくりべることを忘れていた。
「忙しいって言ってたね。でも、美咲が元気でいるか、りたかったんだよ」
祖母は、私を責めていない。最の話を切ったことも、周忌にけなかったことも、責めていなかった。だから私は、余計に申し訳なかった。
「ごめんね。あのとき、ちゃんと話を聞けばよかった」
「もういいよ。顔を見せてくれたら、それでいい」
祖母が招きをする。私はの扉のにっていた。を歩せば、祖母のところへける。もう仕事のメールに返事をする必もない。の会議も、締め切りも、誰かが辞めて残った仕事もない。
「おいで」
祖母がもう度言う。私はすりを握りしめた。
そのとき、ろの両から、さっきの男性の声が聞こえた。
「おは側です」
いつもの内放送だ。けれど、今度はどこか違って聞こえた。私はの窓に目を向ける。そこに映った自分の顔は、疲れ切っていた。
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祖母の駅にりれば、もう働かなくていい。けれど、それは「休む」ことではない。戻れない所へくということだ。
私は度、ホームにいる祖母を見た。祖母の隣は、まだ空いている。そこには、私が座るための所が用されていた。
「みさちゃん、無理しなくていいんだよ」
祖母は、私が話を切るに言いたかったことを、今度は最まで話してくれているようだった。
私は、祖母に会いたかった。けれど、本当は会いたいだけではなかった。会えなかったことを謝り、許してもらって、もう度今の暮らしへ戻りたかったのだと気づいた。
扉が閉まり始めた。祖母は驚かず、静かに微笑んでいる。
「またね、美咲」
その声を聞いた瞬、私は涙をこぼした。扉の隙が狭くなり、祖母の姿が見えなくなる。最まで、祖母は責めなかった。私は窓にをつき、見えなくなるまでホームを見つめた。
がきす。私は祖母の駅を通り過ぎてしまった。これで助かったのか、それとも逃げただけなのか、自分では分からなかった。
なくとも、私はまだきている。そうおうとしたとき、内放送がまた流れた。