"終電の次の駅は私の名前――ホームには亡き祖母がいた" 第1話
次は、佐伯美咲
「次は、佐伯美咲。おは側です」
内放送が流れたとき、私は瞬、自分の名だと気づかなかった。駅名を読みげるはずの放送が、らないの名をにした。聞き違いだとって顔をげたけれど、内には私しかいない。窓のには駅のかりも見えず、黒い景がどこまでも続いていた。
側の扉がいた。ホームの向こうには、私の名がかれた板がっている。佐伯美咲。見違えようがない。ホームには何ものが並んでいて、祖母や、学代の同級、顔もらない会社員が、こちらを見ていた。
祖母が、列のから私にを振った。
「美咲、おいで。こっちはもう疲れなくていいよ」
私は扉のにっていた。りたら、もう戻れない。そうう方で、仕事に追われる毎から逃げられるなら、それも悪くないのかもしれないとじた。
あの夜、私は終に乗っていた。いつものと同じ座席、同じ広告、同じ内の匂い。違うのは、りるはずのない所へっていたことと、放送が私の名を呼んだことだけだった。
そのから、私は毎晩のように終で帰っていた。歳。都内のさな広告会社で働き、仕事が終わるはによって違う。が減っても担当する仕事は減らず、誰かが辞めるたびに、そのの分まで残った社員が抱えるようになっていた。
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そのも、会社をたのは付が変わるしだった。に乗り込むと、いつもの席に浦さんが座っていた。隣の部署で働く、私よりつのだ。挨拶を交わす程度で、まともに話したことはない。浦さんは乗るとすぐ目を閉じ、次の駅まで眠っているのがいつものことだった。
私もその向かいの席に座り、窓に映る自分の顔を見た。目のには、消えないくまができている。ポケットのでスマートフォンが震えたが、会社からの連絡だとって確認しなかった。
私は祖母からの話を、最まで聞かずに切ったことがある。あのとき、祖母は「みさちゃん、ちゃんとべてるかい」と聞いていた。忙しいからまた今度ね、と答えた。それが最の会話になった。
そのことをいしたまま、私は目を閉じた。次に目をけたとき、のには誰もいなかった。