"フクと小さなおにぎり" 第3話
フクがに来た
トイレの砂、ご飯の皿、入れ、爪とぎ、それから柔らかいクッション。必なものをそろえ、俺たちはフクをへ連れて帰った。ゆいが急にづいて驚かせないように、リビングの隣の部をフクの居所にする。入りにはベビーゲートを置き、ゆいがひとりで入らないようにした。
キャリーケースをに置き、扉をけても、フクはすぐにはてこなかった。奥で体をさくし、暗がりからこちらをうかがっている。ゆいは興津々でづこうとしたが、俺が抱きげて止めた。
「フクが自分からてくるまで、そっとしておこうな」
ゆいはよく分からない様子で、ゲートのにしゃがみ込んだ。
「フク、こんにちは」
フクのがぴくりといた。それでも、体はかない。由佳はご飯とをケースのくに置き、部の扉を半分だけ閉めた。俺たちはその晩、何度も様子を見たくなるのをこらえ、族もめに寝ることにした。
初めてご飯をべたのは、次のの夜だった。朝になって皿を見ると、しだけフードが減っている。俺たちが部に入ると、フクはすぐケースの奥へ戻った。トイレを使ったのは目だった。さな変化を見つけるたび、俺たちはほっとした。
週ほどたつと、フクはケースからて、クッションので眠るようになった。
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昼もしだけ部のを歩く。ゆいがゲート越しに声をかけると、逃げずにをかすようになった。
「フク、おはよう」
ゆいが毎朝そう言うと、フクはクッションから顔をげた。ある、ゆいが指を本だけゲートの隙からすと、フクはしばらく匂いを嗅いだあと、額をそっと寄せた。
「触れたね」
由佳が声で言う。ゆいは嬉しそうに笑ったが、きな声はさなかった。俺たちが教えたことを、ちゃんと覚えてくれている。
フクは俺がソファに座っていると、ときどきくまで歩いてくるようになった。抱きげようとすれば逃げてしまうが、自分からづくことは増えていった。ゆいの元に体をすり寄せることもある。そんな姿を見ると、しずつに慣れているのだとえた。
ただ、事のときだけは違った。フクはがいると、皿にづかない。俺たちが部をて、しばらくしてからべる。誰かが戻ってくると、べるのをやめ、皿かられてしまう。
最初は、臆病な性格だからだと考えていた。がたてば変わるだろう。そうっていたが、事のたびにの気配を確かめるフクの姿を見るうち、俺たちは何か理由があるのではないかと考えるようになった。