"「清掃員の面接?」元看護学生が15年後に明かした正体" 第5話
消された奨学と、母への嘘
桐野の急変事故から週が過ぎたころ、学の事務局からさえに呼びしがかかりました。
「松田さん、残なおらせがあります」 担任の教員から差しされた枚の類。 そこには、来度以の『病院推薦奨学の打ち切り』が通達されていました。
「……え? 打ち切り……ですか? どうして……」 さえの目のが真っ暗になりました。 類の理由欄には、ただ言、こうかれていました。
『臨実習における指導者評価が、基準を満たさなかったため』
「先! 何かの違いです! 私は遅刻も欠席もしていませんし、患者さんのケアも――」
「松田さん、指導者の部さんから提された評価表を見ました」 担任は困惑したように線を落としました。
「『協調性を著しく欠き、指示に従わず独断専の危険なが目つ。護師としての適性なし』とかれています。……部総病院の院令嬢であり、実習責任者の評価です。学側としては、これを覆すことはできません」
本来、実習の評価は複数の教員と指導者が議して決める規則になっていました。 しかし、みな子は自らの権力を利用し、正式な会議を通すことなく、独断で悪に満ちた最評価を学へ送りつけていたのです。
さえは病院へり、ナースステーションの奥にいたみな子に詰め寄りました。
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「部さん! どうしてあんな評価をいたのですか!? あの評価のせいで、奨学が打ち切られてしまったんです!」
みな子は級なハンドクリームを優雅にに塗り込みながら、顔すら向けずに答えました。
「あら、妥当な評価よ。指導者の指示を無して勝なを取るを、推薦できるわけないじゃない。の程をりなさい」
「そんな……! 奨学がなければ、私は学を続けられません! 母の治療費だってあるんです! お願いです、もう度だけ見直してください!」
さえは涙をこぼし、をげました。 プライドも何もかも捨てて、すがりつきました。 しかし、みな子はたく吹きしたのです。
「借してまで護師になろうなんて、最初から分相応だったのよ。借りたおをドブに捨てて、本当にご苦労様ね。……さあ、邪魔だからどいてちょうだい」
徹に背を向けてっていくみな子の背。 さえはそのにへたり込み、理のを見つめたまま、くことができなくなりました。
退学届を提したの夕暮れ。 さえはい取りで、母の入院する病のドアをけました。
「お母さん……」 笑顔を作ろうとしましたが、唇が激しく震えてしまいました。
「どうしたんだい、さえ。元気がないじゃないか」 ベッドので体を起こした母が、配そうに覗き込んできます。
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「ううん……なんでもないよ。ちょっとね、学のカリキュラムが変で、しお休みすることにしたの」 本当のことなど、が裂けても言えませんでした。 自分のために無理をして命を削っている母に、「奨学を打ち切られて退した」などと告げれば、母の臓がショックに耐えられないことはでした。
母は何も言わず、ただ静かにさえのを握りしめました。 そのの温もりに、さえは必で涙をこらえ続けました。
退院した桐野に最のお礼を伝えることも叶わず、さえは荷物をまとめて病院をりました。 夕に染まる巨な病院の威容を見げながら、さえはので誓いました。
(理尽な力で、のを踏みにじるがいる。命を救う所で、分やがすべてを支配している……) (私は絶対に負けない。どれだけがかかっても、いつか必ず、自分のでちがってみせる)
歳の、女のから護師というが、無残にもこぼれ落ちていきました。