"「清掃員の面接?」元看護学生が15年後に明かした正体" 第3話
孤独な資産とさな異変
実習でさえが受け持つことになった患者のに、病棟で誰もがを焼いているの男性がいました。 科病棟に入院していた、歳の桐野という男性でした。
桐野は代で元に巨な商社を築きげた、誰もがる資産でした。 胃の悪性腫瘍の摘術を終え、術の経過観察に入っていたのですが、とにかく気難しく、偏屈な性格でられていました。
「おい、点滴の針の刺し方がくそだ! もっと腕のいい護師を呼べ!」 「触るな! 静かに寝かせろと言っているだろう!」
回診に来る医師や護師を鳴り散らし、事にもをつけようとしません。 みな子をはじめとする病棟の護師たちは、桐野の部に入るのを骨に嫌がり、必最限の処置だけをして逃げるようにちっていました。
けれど、さえだけは違いました。 鳴られても、そっぽを向かれても、さえは毎朝決まったに笑顔で病の扉をノックしました。
「桐野さん、おはようございます。学の松田です。お加減はいかがですか?」
「……またおか。朝からうるさい顔を見せるな」 桐野は背を向けたまま、悪態をつきました。
「はい、今も血圧とおを測らせてくださいね。それから、お背を拭かせていただいてもいいですか?」 さえはしも怯むことなく、穏やかな声で語りかけました。
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温かいタオルを用し、桐野の骨ばった背を、力を入れすぎないように優しく拭いていきます。
桐野の体は、の激務で張っていました。 さえが丁寧にを清拭し、くなった筋肉をほぐすようにマッサージを続けると、桐野の荒い息遣いが次第に静かな寝息へと変わっていきました。
実習が週目を過ぎたころから、しずつ変化が現れ始めました。 さえが朝番に病を訪れると、桐野はすでに自分でベッドを起こし、窓のカーテンをけて待っているようになったのです。
「……遅いぞ。何分待たせる気だ」 相変わらず調はぶっきらぼうでしたが、さえが体温計を差しすと、文句を言わずに脇に挟んでくれるようになりました。
そんなある朝のことでした。 実習が週目に入った曜、さえはバイタルサインの記録表を見て、審な違を覚えました。
毎朝測定しているの尿量が、と比べてわずかに減していたのです。 さらに、静の呼吸数が、普段の毎分回から回へと、かすかに増加していました。
「桐野さん、今朝はお腹の痛みや、だるさはありませんか?」 「……ん? 別に、いつもと変わらんよ」 桐野は井を見つめたまま、力なく答えました。 いつもの憎まれが、返ってきませんでした。
さえの背筋に、たいものがりました。
(何かがおかしい……)
術の患者の体内では、目に見えない異変が急速にすることがあります。 さえは過数の記録用を広げ、数値を横に並べて見比べました。 尿量はから緩やかに減り続け、呼吸数は段階にくなっている。 体温は平でしたが、これは免疫が落ちている齢者特の、危険な兆候ではないか。
(まさか……腹腔内で縫全が起きて、染が始まっているんじゃ……?) 放置すれば、敗血症を引き起こし、数で命に関わる事態になりかねない。 さえは血相を変えて記録用を抱え、ナースステーションへとりました。