"消えた卵の秘密" 第3話
蔵庫の張り込みとさな
義母からの解な話から、わずかのことだった。
お昼過ぎ、突然インターホンが鳴り、玄関をけると、そこには満面の笑みを浮かべた美津さんがっていた。
「茜ちゃん、こんにちは! くまでお買い物に来たから、また卵を持ってきてあげたわよ」
渡された袋のには、回と同じ養鶏のロゴが入った、赤玉卵のパックがつも入っていた。計個。ずっしりとしたみが両に伝わる。
「お母さん、わざわざ届けてくださってありがとうございます。でも、こんなに頻繁にいただいてしまって申し訳ないです」
「いいのよ、気にしないで! うちの実で飼ってる鶏の卵だから、いくらでもに入るんだから」
美津さんはそう言いながら、玄関のがり框からリビングの奥をじっと見回すように首を伸ばした。
「なるべくくべてね。鮮なうちにべるのが番だから。……べた、また聞かせてちょうだいね」
を押すようにそう言い残すと、美津さんはにっていった。
キッチンへ戻り、私はパックの卵を蔵庫の野菜とドアポケットに収めた。
「……よし」
私はエプロンの紐をきゅっと締め直した。
このままでは、また回ののになる。もし陽斗が本当に無識の過か何かで夜にべているのだとしたら、健康のためにも絶対に止めさせなければならない。
広告
(今度こそ、現犯で見届けてやるんだから)
ちょうど陽斗は休勤で留守、凛はリビングのローテーブルでお絵描きにになっていた。
私はリビングのドアをしだけけ放ち、キッチンのにあるパントリーのにを潜めた。ここからなら、蔵庫をけようとするの姿が角から完璧に見える。
計の秒針がチクタクと音を刻む、静かに息を潜めて待つこと分。
パタパタ……と、さな音が廊からづいてきた。
(……え? 陽斗じゃない?)
驚いて物から覗き込むと、そこにいたのは夫ではなく、娘の凛だった。
凛は抜き差しでキッチンの入りまでやってくると、辺りをキョロキョロと何度も見回した。誰もいないことを確かめると、さな胸をなでおろし、蔵庫のへとりでづいていく。
よいしょ、と背伸びをして蔵庫のドアをけた。
そして、ドアポケットに並んでいた真しい卵のパックにを伸ばしたのだ。
パックの留め具を器用にすと、卵をつ、つとさな両で掴み取った。
「……凛!?」
たまらず物からびすと、凛は「ひゃっ!」とびがって卵をに落としそうになった。慌てて私が駆け寄り、娘のから卵を受け止める。
「ちょ、ちょっと凛! 何してるの!?」
凛は顔から気に血の気を失い、震える両をろに隠して退りした。
「ま、ママ……」
「これ、おばあちゃんが持ってきてくれたばかりの卵よ? 割れたらどうするの! まさか……今までの卵も、全部凛が触ってたの!?」
私の厳しい声に、凛のきな瞳からみるみるうちに涙が溢れしてきた。
さな肩をすくめ、今にも消え入りそうな声で呟いた。
「……ごめんなさい……」
「謝るに、ちゃんと説して。どうしてこんなことしたの? まさか、今までなくなってた卵も、全部凛が捨ててたの?」
凛はを見つめたまま、さく首を縦に振った。
その仕を見た瞬、私の胸のに激しいショックが広がった。陽斗を犯扱いして鳴りつけていた自分が恥ずかしくなると同に、あんなに聞き分けのいい娘が、べ物を粗末にするような真似をしていたという事実が信じられなかった。
「どうして……? どうしてそんなことするの!?」