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"五歳の母ちゃん" 第4話

遊園の

リサは、それから何度かに来た。保育園の帰りに楓と緒に遊び、俺が仕事にるになると「いってらっしゃい」とを振る。俺はそのたびに落ち着かなかった。

ある、リサが言った。

「シンジ、楓を遊園に連れていってあげなよ」

「急に何だよ」

「この子、ずっときたがってるよ。にテレビで見た観覧の話ばかりしてたもの」

楓は驚いたように目を丸くした。

「っていいの?」

「きたいなら連れていくよ。ただ、今はちょっと……」

料まではまだがある。活費を考えると、遊園に使えるおはくなかった。そう説しようとしたとき、リサは俺の肩を軽く叩いた。

「たまにはいいじゃない。あんたも子どもの頃、遊園が好きだったでしょ」

「でも、俺は仕事が」

「私が連れていくよ。おなら、貯めてた分があるから」

「そんなの受け取れない」

「母ちゃんが子どもに使うおを、慮してどうするの」

彼女はそう言って、し得げに笑った。俺は腹をてるべきなのに、反論できなかった。リサは歳の子どもで、俺の母親ではない。その事実を何度もいすのに、彼女の言葉には母と同じ温度があった。

結局、俺は仕事をめに切りげ、で遊園へ向かった。

楓は入りからはしゃぎだった。メリーゴーラウンドに乗り、物の形をした乗り物に乗り、最は観覧に乗った。

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リサは楓のをしっかり握り、乗り物のたびに「怖くない?」と声をかける。

「お兄ちゃんも乗ろうよ」

「俺はいいよ」

「何慮してるの。せっかくだから乗りなさい」

リサは俺の背を押し、楓と緒に観覧へ乗せた。くなるにつれて、がさく見えてくる。楓は窓に張りつき、リサは隣で楽しそうに笑った。

「昔も、こうやってで乗ったことがあるよね」

「俺は覚えてない」

「そうだった? シンジは途で寝ちゃったんだよ」

「そんなことまで覚えてるのか」

「当たりでしょ。母ちゃんだもの」

楓が俺のを握った。俺はそのを握り返したが、リサの方は見なかった。

昼のとき、リサは楓の皿にハンバーグを取り分けた。

「はい、べな」

「わーい」

「シンジもべな。朝から何もべてないでしょう」

「俺はいいって」

「だめ。あんたは昔から、妹に譲って自分はするんだから」

その言葉に、俺は箸を止めた。母がくなってから、俺は楓のためにするのが当たりになっていた。誰かにそれを見抜かれるのは、し怖かった。

帰り、楓は俺の腕に寄りかかって眠ってしまった。リサはその寝顔を見て、優しく笑っている。

「楽しかったね」

「ああ」

俺はく答えた。

「シンジも、たまには子どもに戻っていいんだよ」

「俺はもう子どもじゃない」

「そうね。でも、母ちゃんから見たら、いつまでも子どもだよ」

その言葉を聞いた瞬、俺は胸の奥が苦しくなった。母がいなくなってから、度も聞けなかった言葉だった。

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