"結婚式に来ないと怒鳴る義母→義父「もう会場にいるぞ?」" 第11話
だらけの乱入者と族の鉄槌
な挙式が終わり、緑豊かな庭でのフラワーシャワーも無事に執りわれました。 披宴が始まって半が過ぎ、宴も終盤に差し掛かった頃のことです。
バンッ!
披宴会のな扉が、乱暴に押しけられました。
会内の線が斉に入りへと集まりました。 そこにっていたのは、息も絶え絶えになり、見るも無残な姿となった義母でした。
級な留袖の帯は斜めにずり落ち、裾はで汚れ、元は履が脱げかけていました。 完璧にセットされていたはずの本髪はボサボサに乱れ、汗でファンデーションがドロドロに溶けし、マスカラが黒く頬に流れ落ちていました。
「はぁ……はぁ……! やっと……着いたわよ……!」
義母は狂乱したように会内を見回し、砂の席へ駆け寄ろうとしました。
「は事故で止まるし……! 捕まえたタクシーは速の渋滞に巻き込まれるし……! なんなのよ、この仕打ちは! 私の息子の事な結婚式なのに!」
会内がを打ったように静まり返りました。 婦側の親族や病院関係者の来賓席から、眉をひそめるようなたい線が義母に突き刺さります。
その醜態を見かねた義父が、静かにちがり、義母のにちはだかりました。
「……みっともない。声を落としなさい」
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「あなた! 私、こんなに苦労して来たのよ!? 労いの言葉くらいあってもいいでしょう!?」
「自業自得だ」 義父のが、く会に響きました。
「おが息子の話も聞かず、案内状も確認せず、勝ない込みで違うホテルへったんだろうが。 今というれ台を台無しにしようとしているのは、でもない、お自だ!」
義父の鋭いに射すくめられ、義母はヒッと息を呑んで退りしました。
「婦のご両親に、その汚れた姿で挨拶する気か? 恥をりなさい。今すぐ控えへって、顔を洗ってきなさい!」
義母は顔から血の気を引かせ、がたがたと震えながらち尽くすしかありませんでした。
居所を失い、ロビーの隅で肩を震わせていた義母の元へ、私はメイク具の入ったバニティバッグを持って歩み寄りました。
「……お母さん」
義母が恐る恐る顔をげました。 その瞳には、かつて私を見していた傲なは微も残っていませんでした。
「かなり急いで来られたのですね。お着物もお化粧も崩れてしまっています。 よろしければ、私が直しましょうか?」
「え……?」 義母は目を丸くし、信じられないものを見るように私を見つめました。
「あ、あんた……私にあれだけ罵倒されたのよ? バカ嫁だの役たずだの、散々言われたのに……」
「ええ、言われましたね」 私は穏やかに微笑み、義母の乱れた襟元にそっとを添えました。
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「でも、今は陸さんとかな子さんの結婚式です。 郎の母親がそんなに乱れたお姿では、おに恥をかかせてしまいますから」
義父が背から、静かに言いました。 「誠さんに直してもらいなさい。おがどれだけ浅ましいだったか、をもってりなさい」
義母は唇を噛み締め、さく「……お願いします」と呟いて子に腰をろしました。
私は際よくピンをし、乱れた髪を解いてブローし直しました。 汗と涙で崩れたメイクを拭き取り、清潔のある品な母親の顔へとえていきます。 私の指先が髪に触れるたび、義母の肩がさく震えていました。
わずか分で、鏡のには凛とした郎の母親の姿が蘇っていました。
「……できたわ。完璧よ」 義母は鏡を見つめたまま、言葉を失っていました。 かつて自分が「ただの髪結い」と蔑んだ女の技術に、今まさに救われたのだという事実を、嫌でもいらされた瞬でした。
披宴の終、控で義父が義母を私のへとたせました。
「さあ、誠さんに謝りなさい」
「え……私が謝るの……?」 往際悪くごまかそうとする義母に、夫のさんが歩へ踏みしました。
「母さん、いい加減にしなよ。 誠は僕の切な妻であり、尊敬する職だ。 もしこれ以、誠を愚弄するなら、僕は度と母さんとは顔をわせない」
陸さんとかな子さんも、ややかな目で義母を見つめていました。 族全員から完全に拒絶されたことを悟り、義母はを見つめたまま、絞りすような声で言いました。
「……誠さん、本当に……申し訳ありませんでした」
私は微笑み、静かに答えました。 「お母さん、顔をげてください。切なのは、おが幸せになることですから」