"新婚旅行に便乗する義母を空港に残した結果" 第4話
阪へくなら
そもそも、私たちが阪へくことになったのには、し事があった。
婚旅のき先を決めたとき、私は京都や神戸も候補にした。健は「阪でべ歩きがしたい」と言った。私も阪へったことがなかったので、賛成した。
ところが、旅の程を決めた直、健は勤務先のシフト表を見ながら、困った顔をした。
「この、どうしても休みが取れなくなりそうだ」
「婚旅のだよね?」
「ああ。売りのが急に休むことになって、俺がることになるかもしれない」
私は、式の準備で忙しかったこともあり、が真っになった。結婚したばかりなのに、婚旅を延期するのだろうか。そんなことを考えていると、健はシフト表をにのところへ向かった。
「すみません。来だけ、誰かと交代してもらえませんか。婚旅なんです」
「旅か。ほかのにも聞いてみるけど、簡単には決まらないぞ」
「分かっています。自分でも探します」
健は、職の同僚たちに順番に頼んだ。何かはすでに予定があり、誰もすぐには引き受けられなかった。
そのの帰り、健はしった様子で話をかけた。相は、学代からの友で、今も同じ職で働いている圭司だった。
「圭司、来、シフトを代わってくれないか。婚旅で阪へくことになってるんだ」
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話の向こうから、圭司のきな声が聞こえた。
「何で俺が代わらなきゃいけないんだよ。俺もその、阪にくんだ。雇いの仕事を入れてる」
「雇いって、休みのに働くのか?」
「借返すためだよ。休んでるじゃねえんだ」
圭司は、しに自分で商売を始めようとして失敗し、かなりの借を抱えていた。健も、その話は聞いていた。圭司は「阪産を買ってきてやる」と言う健に、「産を買うがあるなら、俺の交通費をせ」と返したらしい。
「悪い。婚旅なんだ」
「じゃあ俺の阪張費を全部せよ」
「それは無理だよ」
「ほらな。に頼むなら、しくらい相の都も考えろ」
圭司の言い分はもっともだった。健は話を切ったあと、ため息をついた。
「圭司も変そうだね」
「うん。借があるのに、休みのまで働いてる。簡単にシフトを代われとは言えないよな」
「にも断られたの?」
「まだ確定じゃないけど、厳しそうだ。もし俺が休めなかったら、婚旅は延期かな」
私は、旅を延期することを考えた。の予約も宿も、すでに取っている。キャンセル料もかかる。何より、結婚式のあとにでかけるのを楽しみにしていた。
「健、せっかくの旅だし、もうし方法を探そう」
「そうだな。圭司にも、もう度話してみる。俺の仕事を代わってもらうんじゃなくて、交通段の話ならどうだろう」
「交通段?」
「圭司は夜バスで阪へくんだ。俺たちもじゃなくて、夜バスにすれば、空港で母さんに見つからずに済むかもしれない」
私は、し考えた。夜バスなら、よりくける。恵子さんは、私たちがに乗るとい込んでいる。旅の程はられていても、移方法までは話していない。
「圭司さんに聞いてみよう」
私たちは、圭司に話をかけ直した。しばらく話したあと、圭司は渋々ながら、夜バスの予約方法を教えてくれた。