"結婚式当日「新婦が救急搬送」私、ここにいますけど?" 第5話
任せきりの打ちわせ
結婚式の準備が始まると、休はあっというに埋まっていった。交番勤務は交代制で、毎週決まった曜に休めるわけではない。夜勤けに式へ寄ることもあれば、次の勤務までのいに母と装を見にくこともあった。
母は、式の仕事をしているだけあって段取りに慣れていた。料理の数や会の飾り、当のについて、必なことをつずつ説してくれる。私が迷っていると、いくつか候補をしてくれた。
「はをめにして、し淡いを入れるのはどう? ドレスにもうとうわ」
「きれいだね。健にも聞いてみる」
「そうね。の式だから、健くんにも見を聞きましょう」
そう言っていたものの、健はなかなか打ちわせに来られなかった。部活の指導や保護者との面談があるという。最初は「忙しいなら仕方ない」とっていた。母も「今はが決められるところだけ決めましょう」と言ってくれる。
ドレスを着に絞ったころ、私は写真を持って帰った。最は健に見てほしかった。
「ねえ、どっちがいいとう?」
健はソファでスマートフォンを見ていた。私は枚の写真をテーブルに置いた。片方は飾りがなく、もう片方は胸元に細かな刺繍がある。
「どっちでもいいよ。が好きなほうにしたら」
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健は写真をちらっと見ただけで、また画面に目を戻した。
「ちゃんと見てよ。どっちにするか迷ってるんだもの」
「どっちを着ても似うとうよ」
「そうじゃなくて、緒に選びたいの。ブーケもドレスにわせたいし、のだって考えたい」
「悪いけど、今は疲れてるんだ。そういう細かいことは任せるよ」
私は写真をねた。せっかくの結婚式なのに、健にはどうでもいいことなのだろうか。そううと、しいというより、寂しかった。
「健にとって、結婚式はどうでもいいの?」
「そういうじゃないよ。仕事もあるし、全部に付きうのは無理だろ。が決めたことなら、俺はそれでいいとってる」
その言葉は、信頼して任せているというより、面倒なことを私に渡しているように聞こえた。
翌朝、健は昨夜のことを謝った。
「ごめん。仕事で疲れていて、ついたく言っちゃった」
「忙しいのは分かってるよ」
「ドレスもも、が好きなものにしていいから。任せきりにして悪いな」
私はその言葉にほっとした。健は結婚式がどうでもいいわけではない。ただ、仕事が忙しくて余裕がないのだろう。私も準備に追われて、何が何だか分からなくなるがある。彼も同じなのかもしれない。
「事なところは、また緒に相談しようね」
「もちろん」
彼はそう言い、私の肩を抱いた。
私はしした。
それからも、健は打ちわせに来られないことが続いた。部活、指導、保護者との面談。私は母と相談しながら、会や料理を決めた。忙しい健を責めたくはなかった。けれど、式に関わることをで決めるたび、胸の奥にさな引っかかりが残った。