"結婚式当日「新婦が救急搬送」私、ここにいますけど?" 第1話
「婦が病院に運ばれた」
「変です。婦が事故に遭って、病院へ運ばれたそうです!」
結婚式当の朝、控のドアが勢いよくいた。息を切らせたスタッフは、部のを見回すなり、いドレスを着た私のでち止まった。
私は鏡のに座り、メイクをえてもらっているところだった。母はろにち、仕がった髪を見ながら目を潤ませていた。スタッフの言葉を聞いた途端、母のが止まる。
「えっ? でも、私ここにいますけど」
スタッフは、私と母を何度も見比べた。
「こちらの婦さまではないんですか?」
「私は今ここで結婚式を挙げる、です。事故に遭った覚えはありません」
「失礼しました。病院から『さんという女性が救急で運ばれた』と連絡がありまして……。目黒健さんを呼んでほしいとも言っているそうです」
目黒健。今、私と結婚するはずのだ。
病院から連絡を受けた式のスタッフは、健の婚約者である私が事故に遭ったのだとったらしい。ところが、当の私は控にいて、ドレスを着ている。では、病院に運ばれた「さん」は誰なのだろう。
スタッフは話の内容をもう度確認しに戻った。母はすぐに会の責任者へ連絡を入れた。私は鏡に映る自分の顔を見たまま、元に置いてあったスマートフォンを握った。
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健は、まだ式に来ていない。
昨夜、健は友たちと「独最のみ会」をすると言っていた。には戻らず、朝は式へ直接来る約束だった。私は何度か話をかけたが、つながらなかった。「遅くまでんで、まだ寝ているのかもしれない」と考えて、あまり気にしないようにしていた。
でも、病院に運ばれた女性は、健を呼んでいる。しかも、名は私と同じ「」だという。
「お母さん、健のお父さんにも連絡してくれる?」
母はくうなずき、控をていった。母は結婚式に勤めている。今の式の担当も母だった。仕事の段取りを守らなければならないなのに、今は私の母としていている。その背を見送りながら、私は胸の奥がえていくのをじていた。
スタッフが戻ってきた。病院にいる女性は識があり、「けんちゃんに来てほしい」と繰り返しているらしい。名が同じだけなら、こんな呼び方はしない。私は事故に遭っていない。健も式にいない。
「病院に運ばれたのは、私じゃないんですね」
「はい。別の方だといます」
その返事を聞いたとき、廊から慌ただしい音がづいてきた。
「、丈夫か!」
控のドアがき、健がび込んでくる。私の姿を見た瞬、彼は驚いたように目を見いた。それから、スタッフの顔を見て、表をこわばらせた。