"昭和35年、高校を諦め祇園へ渡った15歳の少女" 第11話
昭と届いた便り
昭、。
本が、かつてない狂の渦に包まれていた。
アジアで初めて催された京オリンピックの会式。の気の先に置かれた真しいカラーテレビのには黒のだかりができ、青空に描かれた輪のに々が歓声をげていた。
度経済成の波は京都のにも押し寄せ、幹線が通したことで京からの財界や国観客が押し寄せ、祇園の夜は連、未曾の賑わいを見せていた。
歳になったは、美濃の押しも押されもせぬ板妓へと成していた。
幼さの残っていた顔ちはすっきりとびて、の切れは段と冴え渡っていた。輩の仕込みさんたちからは「姉さん」と憧れの差しで見つめられ、お茶の座敷ではどんな気難しい客でもが座敷に入ればがむと言われるほど、その芸と気配りは円熟の域に達していた。
そんなあるの午、お稽古から戻ったを、静が招きした。
「、ちょっとおいで。丹のご実から、が届いてるで」
「実から……?」
は拭いで汗を拭いながら、静からい封筒を受け取った。
差の欄には、かつて文代をこの美濃へ紹介してくれた、町の呉の主の名がかれていた。
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には、呉の丁寧な文字でかれたと、枚のモノクロ写真が同封されていた。
写真に写っていたのは、実のくにある神社の境内で、し緊張した面持ちで直の姿勢を取る、代半ばの青の姿だった。
仕ての良い紺の背広を着て、く刈りげた髪に、真面目そうな太い眉。澄んだ真っ直ぐな瞳が印象な男性だった。
には、こう記されていた。
『文代ちゃん、お母さんから話を聞いてをきました。 町役の農林課に勤めている、誠実で評判の良い青です。文代ちゃんが祇園で懸命頑張ってきたことも、の族を支えてきたことも、すべて承したで「ぜひ文代さんをお嫁さんに迎えたい」と言ってくれています。 ご両親も、「文代が帰ってきてくれるなら、こんなに嬉しいことはない」と涙を流しておられます。 度、帰ってきて会ってみませんか』
を持つの指先が、かすかに震えた。
縁談だった。
歳。妓の世界では、誰もが避けて通れない、のな岐を迎える齢だった。