"写真のない履歴書" 第4話
制の採寸
訓練が始まるに、私たちは制の採寸を受けた。肩幅、袖のさ、腰回りを順番に測られていく。布を体に当てられ、数字を記録される。最初はどこか事のようにじていたが、採寸がむにつれて、これから本当にしい仕事に就くのだという実が湧いてきた。
制は、占領軍の最司令官リッジウェイ将軍の夫が会社を訪れるににわせる必があると聞いた。そのため、会社のたちは急いで準備をめていた。私たちも、制ができあがるまでは自分がどんな姿で働くのか像できなかった。
「制を着たら、しは派に見えるかな」
同期のが言った。
「制に助けてもらわないとね」
別のが返すと、周りから笑い声ががった。しい仕事へのはみんなにあった。笑えるがあるだけで、気持ちがし軽くなった。
会社のたちは、私たちを「これから本航空のスチュワーデスとして育てていく」と考えていたらしい。私たちは、すでにの仕事をにつけたとして採用されたわけではない。歩き方も、お辞儀も、言葉づかいも、内でのき方も、何もかもこれから覚えるところだった。
制ができあがると、私たちは順番に袖を通した。鏡のにったとき、私はわず襟元を直した。普段着とは違うを着ると、背筋が自然に伸びる。
広告
隣の同期は、自分の袖を何度も見ていた。
「変じゃない?」
「似ってるよ」
「本当?」
「本当。さっきよりずっと仕事のらしく見える」
そんな会話をしながら、私たちは互いの襟や髪をえた。自分では気づかないさな乱れを、誰かが直してくれる。それは、これから仕事をする仲になったという図のようにもえた。
に帰って制の話をすると、母は「見てみたい」と言った。父は「似うだろうな」とく返した。私は制を持って帰れなかったが、採寸のときのことや、同期たちの様子を話した。
「そんなに勢で緒に働くの?」
「最初はで始めるんだって」
「みんな初めてなの?」
「うん。の仕事をしたことがあるは、いないとう」
母は驚いた顔をした。私自も、まだがなかったわけではない。でも、で緒に覚えていくのだとうと、ひとりで放りされるわけではないとじられた。