"写真のない履歴書" 第2話
応募の理由
事務所のには机がいくつか並び、何かの男性が類を理していた。入にった私に気づいたが、を止めて顔をげる。
「何かご用ですか?」
「あの、エアガールの募集を見て来ました」
言いながら、私は写真のない履歴を差しした。男性はそれを受け取り、まず名を確かめた。次に、写真の欄が空いていることに気づく。
「写真は?」
「今、松坂で撮ってもらったんです。でも、できあがりが数だそうで……。締め切りににわないとって、先に来ました」
言い訳のように聞こえないか配だった。履歴を返されるかもしれない。男性は度、空いている写真欄を見た。それから、私の顔を見た。
「写真ができたら、改めて持ってきてください。今はこれを預かります」
「本当ですか。ありがとうございます」
ほっとした途端、私はこの会を逃したくないとった。聞かれてもいないのに、のことを話し始めていた。父が戦、うように働けなくなったこと。母と兄夫婦と緒に暮らしていること。借も残っていて、私の料で計を支えていること。今のより収入が増えるなら、できるだけく働きたいとっていること。
話しながら、ここまで言う必があったのかと恥ずかしくなった。もっと別の理由を用してくればよかったのかもしれない。
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でも、飾ったことを言う気にはなれなかった。私は本当に、のために働きたかったのだ。
男性は、話をさえぎらずに聞いていた。父が軍にいたと伝えると、どのような仕事をしていたのか尋ねられた。私はっていることだけを答えた。父のことを話すうちに、いつもで見ている父の背が浮かんだ。族のでは何も言わないが、仕事が見つからず、役にてないことを気にしているのだとう。
「分かりました。写真ができたら、持ってきてください」
男性はそう言って、履歴を机に置いた。応募は受け付けられた。面接もあるらしい。私はもう度をげ、事務所をた。
はまだ暑かった。通りのたちは、みんな自分の用事で忙しそうに歩いている。私だけが、何かきなことをしてきたような気持ちになっていた。まだ採用が決まったわけではない。仕事のも分からない。けれど、扉をけるの私とは、し違っていた。
に帰ると、母は台所で夕飯の支度をしていた。
「今は遅かったね」
「仕事の募集に応募してきたの。ので働く仕事らしいよ」
母のが止まった。
「に乗るの?」
「そうみたい。まだ何をするのかは、よく分からない」
「危ない仕事じゃないの?」
「それも、面接で聞いてみる」
父は聞を畳み、こちらを見た。兄の妻も、驚いた顔で私の話を聞いていた。
私は、まだ何も決まっていないからと付け加えた。期待させて、あとでがっかりさせるのが嫌だった。
数、写真ができた。私はそれを履歴に貼って事務所へ届けた。その、面接のらせが届いた。担当者は私を見ると、「締め切りのに直接来た方ですね」と言った。
「写真がにわなくて、すみませんでした」
「でも、来てくれたでしょう。それが事ですよ」
その言葉を聞いて、私は初めて、受かりたいとった。