みかん小説
本棚

"夜勤明けに鍵を替えられた私" 第9話

自分のおを確かめる

計の資料をまとめるうちに、私は結婚してからの通帳を何冊も見直した。徹の座に毎いくら入れていたか、のローンや費をどちらが払っていたか。私たちは共働きだったのに、計の管理はいつのにか徹がになっていた。

徹は「自分の料の方がいから、のことは俺が決める」と言うようになった。私も忙しく、細かい支を確認しなかった。今回、記録を並べてみると、私が計にしたおもかなりの額になっていた。

弁護士は、財産分与は結婚に夫婦で築いた財産を基に考えると説した。やローンの扱いは、契約や支払いの記録を見ないと判断できない。私は度、徹に慮して、受け取れるものも諦めようとった。けれど弁護士は「相に慮して決めるのではなく、資料を見てから選びましょう」と言った。

私はその言葉に納得した。徹の料ががったからといって、私が必以に譲る理由はない。彼が苦しいなら、活の見直しを考えるのは彼自の仕事だ。

病院では、輩の真帆が師会議で自分の見を発表した。以はで話すのが苦だったのに、患者さんの待ちを減らす案を、数字を使って説していた。私は彼女の発表を聞きながら、成をべる自分をありがたくった。

広告

帰りに、真帆が「千歳さんのアドバイスがあったからです」と言った。私は「最にやったのは真帆だよ」と答えた。誰かを育てることは、そのが自分より先へむのを妨げることではない。徹にも、いつかそれが分かるかもしれない。でも、それを待つために緒にいる必はなかった。

徹は、座からたおは活に使ったのだから問題ないと言った。私は、何に使ったのかをつずつ確認したかった。の修繕費やローンなら、それが分かる類があるはずだ。弁護士を通じて領収や支払い履歴を求めると、いくつかはてきたが、説のつかない引きしも残った。

その額だけで婚の判断を変えるつもりはない。私は、徹を困らせるために争っているわけではなかった。ただ、彼が「おが使った」と決めつけたおを、私のものとして扱われたくなかった。自分の仕事で得た収入を計に入れたことも、でローンを払ったことも、記録には残っている。

私は弁護士に、妥当な範囲で精算したいと伝えた。額をきくすることより、事実に沿った形で終わらせたい。必な類をまとめる作業は根気がったが、確認がむほどは減っていった。

細を理していると、結婚してすぐの頃に徹が作った計表も見つかった。で項目を決め、私が費と費、徹がローンをめに払う形にした記録がある。

広告

徹は今になって「俺がほとんど払っていた」と言うが、当の表には私の負担も残っていた。

私はそれを見て、過の自分を責めるのをやめた。計を任せたのは信頼していたからで、確認しなかったのは忙しかったからだ。記録をそろえ、必なことを弁護士へ伝えればいい。自分が悪かったと決めつける必はなかった。

私は資料のコピーをファイルに入れ、原本は別の所に保管した。続きのために始めた理だったが、記録を見返すうち、これまでの活を落ち着いて振り返るにもなった。

通帳の記録を見ていると、徹が計を管理するようになった頃のことをいした。私は夜勤がく、帰宅するも規則だった。徹は「俺がやっておく」と言い、私は助かるとって任せた。彼が毎の支払いをまとめ、私も決めた額を座へ入れる。その形がく続いた。

当の私は、管理を任せることと、何もらなくていいことを同じにしてしまった。けれど、任せたからといって、すべての支を徹がで決めていいわけではない。私は計の記録を確かめ、説できない引きしについて質問した。徹側は「活費に使った」と答えたが、額や期がわないものがいくつかあった。

弁護士は、記録がないものを無理に断定しないようにと言った。

私も、い込みで徹を責めるつもりはない。ただ、私が使っていないおまで、私のせいにされるのは違う。類にある事実だけを使って理していく。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: