"夜勤明けに鍵を替えられた私" 第4話
弁護士に相談した
徹が帰ったあと、母は玄関の鍵を確かめ、父は私に温かいお茶をした。とも、すぐに何かを言わせようとはしなかった。私はその気遣いに甘え、しばらく黙っていた。
そのの午、病院の同僚に紹介してもらった弁護士へ話をした。鍵を替えて自宅へ入れなくしたこと、夫婦でんでいるなのに夫が方に締めしたこと、婚を考えていることを順番に話した。話の向こうの弁護士は、まず全な所にいるかを確かめた。
「今は実にいます。夫が押しかけてきましたが、帰ってもらいました」
「その、の危険をじる連絡はありましたか」
「脅すようなことは言っていません。でも、謝れば許すから帰ってこいと何度も言われています」
弁護士は、メッセージを消さずに保し、今の連絡は記録に残る形でうよう説した。の鍵を替えたことだけで、すぐに慰謝料が決まるわけではない。夫婦の財産やの名義、これまでの経緯を確認してから、何を求めるか理する必があるという。
私は、財産をく取ることよりも、徹と直接話さずに続きをめたいと伝えた。弁護士は、婚協議の窓になれると言った。相談を終えたあと、ようやく息を吐けた。
母は、私が婚すると決めたことに驚いていたが、引き止めなかった。
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父は「緒に暮らしていても、相をのとして扱えないなら続けるのは難しい」と静かに言った。
その夜、徹からまた話が来た。私はずに、弁護士へ相談したことをく伝えた。徹はすぐに《そこまですることか》《夫婦の話だろ》と返してきた。私は返事をせず、画面を保した。
弁護士から連絡が入ったのは、実に来てからほど経った頃だった。徹に、今は直接連絡をせず、婚については弁護士を通すよう通したという。徹は最初、「夫婦のことに弁護士を入れる必はない」と拒んだらしい。それでも、連絡窓は変わらなかった。
方、私は病院へ戻った。夜勤けの疲れが残っていたので、師代に数の休みを相談した。病棟のことが気になったが、同僚は「今は自分のことを考えてください」と言ってくれた。輩が患者さんの申し送りを引き受けてくれたのを見て、私はしだけ笑った。は、誰かがいないに助けって仕事を回す。徹の職でも同じだったはずだ。
数、弁護士から徹の返事が届いた。「鍵を替えたのは論の勢いで、婚させるつもりはなかった。に戻って話しいたい」とかれていた。私は、鍵を替えたの音声を録音していなかったことを悔やんだ。けれど、インターホン越しに話した刻や、そののメッセージは残っている。
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徹は「躾だった」と言った。私に謝らせて、に入れてやるつもりだったらしい。その説を聞いて、私は改めて気持ちが固まった。自分の妻をに入れるかどうかを、罰を与えるように決められるとっている。
「戻るつもりはありません」
弁護士へそう伝えた。夫婦で話すこと自体が怖いわけではない。でも、徹のに戻ると、また私が折れるまで話を続けられる気がした。今は、直接顔をわせない方がいい。
母は「をてから、顔がよくなった」と言った。私は鏡を見た。目のの隈は残っているが、確かに肩の力がし抜けていた。
婚の話をめるため、私は計の資料を弁護士に送った。その翌朝、弁護士から話が来た。徹が「千歳は共座からを持ちした」と主張しているという。送られてきた細には、私が見たことのない引きしが並んでいた。