"「中卒女に現場は無理」職人10人が辞めた結果" 第6話
暴かれた千百万円の横領
翌朝、千は事務所の奥で、その所覧を港に見せました。 港はリストに並んだ番を目にした瞬、息を呑んで固まりました。
「……この、ってます」 港の声が震えていました。
「休みのに、岩さんに『遣いをやるから伝え』って言われて、会社の軽トラックで材料を運ばされた所です……。俺、てっきり会社の正式な仕事の請けだとってました……」
会社ので買った資材を現から横流しし、自分たちの裏稼業の現に流して丸儲けしていた。 岩たちが「俺たちがいなきゃ現は回らない」と豪語していた裏で、会社の骨の髄までしゃぶり尽くしていたのです。
千は、現の帳記録、資材置きの定点写真、納品の控え、そして港の証言メモをファイルにまとめ、社のデスクに置きました。
類をめくる社のが、りでワナワナと震えていました。
「……あいつ、発注権限を堀さんに渡すと言った瞬、あのあからさまに顔を変えたのは、これだったのか……!」
社はく息を吐きすと、そので顧問弁護士に話をかけました。
「証拠は完全に揃っています。警察へ業務横領で告訴するか、あるいは全額を吐きさせるか。法措置の準備に入りましょう」
そのころ、岩は駅裏の雑居ビルに借りたさな事務所で、引き連れて辞めた職と酒を酌み交わしていました。
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入りのドアには、真しい『岩総業』の板が誇らしげに掲げられています。
「おい岩さんよぉ、介護施設の現、どうせ今頃程が破綻して騒ぎになってますぜ」 子分のがビールをあおりながらゲラゲラと笑いました。
「坂の社が泣きついてきたら、吹っ掛けてやりましょうや!」 岩はふんぞり返り、煙の煙を井へ吹きしました。
「当たりだ。あの現を落とせば、管理会社も坂務を見限る。そうすりゃ、あの域の内装事の利権は、ごっそりこの俺の会社に転がり込んでくる算段よ」
そこへ、血相を変えた若い職が事務所にび込んできました。
「い、岩さん! 変です! さっき現の入り業者から聞いたんですが……介護施設、もう引き渡しが終わったそうです!」
「……はあ!? 何言ってんだ、まだ以あるだろ!」
「本当です! しかも予定のに、直しゼロの満点評価で引き渡されたって……!」
岩のから、ビールのグラスが滑り落ちてで割れました。 「バ、バカな……! たったで、あんな事が終わるわけがねえ!」
「堀が、昔の仲の親方を呼び集めたらしいです……現の段取りが完璧で、材料の無駄も切さずに、ものすごいスピードで仕げちまったって……」
岩の額から、ツツーッとたい汗が流れ落ちました。 (まさか……あの女、もう発注データを見たのか……?) 誰にも聞こえない声で呟いた岩の唇が、刻みに震えていました。