"夫の昇進を伝えた瞬間、父が命じた全財産の移転" 第19話
戻ってきたと清らかな空気
達也との婚姻関係についても、法な破棄続きが速やかに完しました。
夫側の百パーセントの責性が公に確定していたため、協議を挟む余もなく、裁判婚が成したのです。 区役所に受理された婚届の控えを見つめたとき、私の胸を満たしたのは、い解放でした。
素朴な庭の温もりを見て結んだ婚姻は、こうして正式に幕を閉じました。 しかし、そのを自らので断ち切ったことに、悔のは微もありませんでした。
事件の翌週、信託センターの法務担当者のち会いのもと、母の冴子と再び顔をわせました。
あの、に母の名義へと退避させていた麻布の邸宅と、億円の個資産。 それらは切の瑕疵をじさせることなく、完全に無傷の状態で、私の元へと再譲渡されました。
父の卓越した計らいによって築かれた鉄壁の防壁は、その役目を完璧に終えたのです。 円の資産も害虫に触れさせることなく守り抜いた事実に、私は改めて両親へのい謝を噛み締めました。
麻布の邸宅には、専の特殊清掃業者と内装業者が配されました。
あの浅ましい親子とが踏み荒らした理のは、徹底に研磨され、除菌が施されました。 達也とが持ち込んでいた私物や調度品は、法な続きを経てすべて処分されました。
リビングの空気は入れ替えられ、淀んでいた甘ったるいの悪臭も、跡形もなく消えりました。
窓をきくけ放つと、の澄み切った清冽なが、部の隅々まで吹き抜けていきました。
悪の残滓は完全に拭いられ、邸宅は本来の気品と静寂を取り戻したのです。
磨きげられたのに、柔らかなの差しが温かく広がっていきました。 そのを見つめながら、私は自分の暮らしが真に取り戻されたことを、く実していました。
誰かに怯えることもなく、誰かの顔を窺うこともない。 自分のでち、自分ので選んだ、清らかな常がそこにありました。