"こぼされた定食の代償" 第9話
崩れった野望
「笹原さん! どうしてここに……!?」
縋りつくようにちがったミキに対し、笹原は忌々しそうに顔を背けた。
「……寄るなよ、バカ女。おがヘマをやらかしたせいで、全部台無しだ」
「え……?」
笹原のからた酷な言葉に、ミキは凍りついた。
倉田社が、厳しい差しで笹原を睨みつけた。
「笹原君。君がが社の営業秘密を持ちし、さらに松尾専務の会社の技術データを正に取得して、競社へ転売しようとしていた件、すでに警察へ通報済みだ。君のパソコンのハードディスクも、今朝すべて押収されたよ」
「転売……!?」
ミキが目を見いて叫んだ。
「嘘でしょ!? でしい会社を作るって言ったじゃない! 結婚しようって約束したじゃない!」
「はぁ? 結婚だぁ?」
笹原はき直ったように品な笑い声を漏らした。
「誰が俗がりのい女と結婚なんかするかよ。おが勝にいがって、会社のデータを貢いできただけだろうが。俺はおを都のいい駒として使っただけだ」
「そんな……嘘よ……嘘でしょ笹原さん!!」
ミキはそのに崩れ落ち、狂ったようにを叩いて泣き叫んだ。
神崎もまた、自分が犯した罪のきさと、完全に仕組まれていた罠の全貌をり、虚脱したように子に突っ伏していた。
史が徹な声で告げた。
「ちなみに、君たちが盗みしたデータだが……あれはすべて、私が報システム部と連携して用した『ダミーの偽データ』だよ」
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「え……?」
神崎が力なく顔をげた。
「最初の正アクセスがあった点で、本物の顧客リストと技術データは別の隔サーバーに移してあった。君たちがオンラインストレージに送信したのは、見すると本物に見えるが、実際には使い物にならない架空の数値ばかりだ。が社への実質な損害は最限に抑えられている」
史は腕を組み、ややかにを見ろした。
「だが、未遂であろうと、正競争防止法違反および業務横領、さらには社内での器物損壊の罪は消えない。君たち、そして笹原氏については、クラタ物産と共同で刑事告訴をう」
「け、刑事告訴……!?」
神崎が青ざめて史の元に縋り付いた。
「せ、専務! それだけは勘弁してください! 警察汰になったら、俺のは終わりです! 転職どころか、再就職もできなくなります!」
「勝なことを言うな」
史は容赦なく神崎のを振り払った。
「真面目に働く周囲の仲を侮辱し、会社の財産を盗みそうとしたに、けをかける余はない」
その、ミキが涙でぐしゃぐしゃになった顔をげ、私を睨みつけてきた。
「あんたのせいよ……! あんたが専務にチクったから、こんなことになったのよ! たかが堂のおばさんのくせに、のをめちゃくちゃにして満!?」
どこまでも反省のないその態度に、倉田社が呆れたようにため息をついた。
「宮君、と言ったかね。……君は本当に、何もらずに吠えているのだね」
「な、何よ……!」
倉田社は私に向かって丁寧に礼し、そしてミキに向かって静かに言い放った。
「ここにいらっしゃる松尾順子さんはね、この会社の創業社である先代の実の娘さんであり、現の株主だよ。君たちが毎『底辺のパート』と罵っていた相は、この会社のオーナーそのものだったのだよ」
「……は?」
ミキのが、完全に止まった。