"「子なし」と笑われた私に、姪が吹雪の夜に土下座した" 第9話
赤いネオンと品な告
スナックのドアノブにをかけた瞬、にまで漏れ聞こえる品な笑い声がに届きました。
「ギャハハハ! もっと酒持ってこいよ!」
聞き違うはずもない、団蔵さんと翔子さんの声でした。
子どもが吹ので凍しかけていたというのに、この親たちはかい内で酒を煽り、どんちゃん騒ぎを繰り広げていたのです。 私の全の血が、りで沸騰しそうになりました。
剛がさく頷き、私たちはのへとを踏み入れました。
カランコロンとドアベルが鳴りましたが、カラオケの爆音と酔客の騒ぎにかき消されました。 内のボックス席の真んで、団蔵さんと翔子さんがグラスを片に肩を組んでっていました。
私たちは何も言わず、彼らの背にあるボックス席へ腰をろしました。 私はバッグからスマホを取りし、録音ボタンを押したまま、カメラのレンズをの背へ向けました。
カウンターにいたスナックのママが私たちに気づき、審そうな顔をしましたが、私が指を本に当てて制すと、何かを察したのか静かにグラスを拭き始めました。
「なあ団蔵、あんたんとこ、まだまれたばかりの赤ん坊がいただろ? こんなまでんでて平気なのかよ」
カウンターの常連客が呆れたように声をかけました。
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すると、翔子さんがグラスをドンとテーブルに置き、で笑ったのです。
「平気よ平気! に歳の娘がいるんだから、そいつに子守させときゃいいのよ!」
「そうそう、ガキなんてのはな、さいうちからしっかり躾けて使わなきゃ損なんだよ」
団蔵さんが煙の煙を吐きしながら、自げに続けました。
「最初は気だったぜ? 『かないで』だの『お腹すいた』だの泣きついてきやがってさ。だから、壁すれすれに皿投げつけてやったんだよ。ガッシャーンって割れたら、発でビビってしくなりやがった!」
「あはは! 物音に敏だから便利よねえ!」
翔子さんがを叩いて笑いました。
「ちょっと鳴りつけるだけで、怯えて何でも言うこと聞くのよ。おかげで正の親戚のでも、借りてきた猫みたいにしく赤ん坊の面倒見てたでしょ? 便利なお伝いさんよ!」
「最の親はをげずに育てるだの甘っちょろいこと言ってるけどな、暴力と恐怖で分からせるのが番っ取りいんだよ!」
酒の勢いに任せて、は自分たちの虐待の数々を、誇らしげに語りかしていました。
隣に座る剛の拳から、ギリギリと骨の鳴る音が聞こえました。 私のスマホの画面には、の自話が鮮な音声と映像で克に記録されていました。
「……そろそろ、幕引きだな」
剛がく呟いた、そのでした。
カランコロン、と再びドアベルが鳴り響きました。 内のかりのに現れたのは、を払う制姿の警察官――剛の同級の竜さんでした。