"「子なし」と笑われた私に、姪が吹雪の夜に土下座した" 第1話
正の本とたい線
お正の宴会で賑わう義実の台所で、私は、のような根と格闘していました。
私の名は望(のぞみ)、歳です。 歳のの夫、剛(つよし)と結婚して目を迎えていました。
剛の実は、になるといに覆われるあいの集落にあります。 男兄弟の真んである剛は、曲がったことが嫌いで、仕事仲や輩からもく慕われる本気な男でした。
そんな剛のことが誇らしく、結婚活そのものはとても満ちりていました。 けれど、毎のお正だけは、私の胃をキリキリと締め付ける苦しい事だったのです。
「ちょっと、望さん! お雑煮のお餅はまだ焼けないの?」
台所の入りから、甲い苛ちを含んだ声がんできました。 男の嫁である翔子(しょうこ)さんです。
「すみません、お餅つきの段取りでにていて、今にかけたところですぐに……」
私がをげて答え終わらないうちに、翔子さんはこれ見よがしにきなため息をつきました。
「際が悪いのよ、本当に。親戚同がお腹を空かせて待ってるのよ? これだから、子どものいないは気が回らないのかしらね」
胸の奥に、たい針がチクリと突き刺さりました。
私は歳で結婚しました。 齢なこともあり、病院に通った期もありましたが、なかなか子宝には恵まれませんでした。
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剛はそんな私の体を誰よりも気遣ってくれました。
『子どもが欲しくて望と結婚したわけじゃない。望が元気で笑っていてくれるのが番なんだから、無理して自分を責めるなよ』
そう言ってを撫でてくれた夫の優しさに、私はどれほど救われてきたか分かりません。 義理の両親も男夫婦も、そのことを理解して温かく接してくれていました。
けれど、男嫁の翔子さんだけは違いました。
歳になる娘のメイちゃんと、昨まれたばかりの赤ちゃんの母親である翔子さんは、顔をわせるたびに私を見し、嫌の標にしてきたのです。
「子どもを産んで育ててこそ、の嫁でしょ。気楽な梨の奥様には分からない苦労でしょうけどね」
翔子さんはそう吐き捨てると、お盆をひったくるようにして居へ戻っていきました。
私はさく息を吐き、まな板に向き直りました。 ここで言い返せば、親戚が集まる席の空気が台無しになってしまいます。
ぐっと奥歯を噛み締めながら、私は湯気をげる鍋を見つめていました。