みかん小説
本棚

"二人きりのはずだった旅行" 第2話

息子はかず、嫁を使う

義母の求は、しずつ増えていった。

「由さん、して」

ある休の朝、良さんが突然やって来た。私は学代の友と久しぶりに会う予定で、あと分ほどでをるところだった。

「今は予定があるんですけど」

「腰が痛いのよ。病院に連れていって」

「今は曜ですよ。急ぎなら俊也さんが救急来に連れていけばいいでしょう」

そう言うと、ソファでスマホを見ていた俊也が顔をげた。

「俺?」

「あなたのお母さんでしょう」

「俺、今週ずっと部活だったんだぞ。疲れてるんだよ」

「私だって働いてるし、今はから友達と約束してたの」

良さんがで笑った。

「休に女友達と会うなんて、そんなに事? 男でもいるんじゃないでしょうね」

を疑った。

「何ですか、それ」

「冗談よ。そんな怖い顔しなくてもいいじゃない」

俊也は止めるどころか、「母さんも腰痛いって言ってるんだから、今くらいいいだろ」と私に言った。

結局、そのの予定はキャンセルした。病院へ送って、診察を待ち、薬局へ寄って、良さんのまで送り届ける。帰宅した、俊也はまだ同じ所でスマホを見ていた。

「どうだった?」

「したことなかったよ」

「ほらな」

その「ほらな」が何をしているのか分からなかった。したことがなかったなら、なおさら自分で連れていけばよかったのではないかとったけれど、言う気力もなくなっていた。

広告

そのうち、おの話までるようになった。

「今ちょっと厳しいのよ」

良さんがそう言うと、俊也はすぐ財布をした。

「いくらいる?」

「万円くらいあれば助かるわ」

「じゃあ万渡しとくよ」

そこで終わればまだよかった。

夫婦の活費として積みてている座から、俊也が勝におをろすことまで増えていった。私の料も入っている座だったので、度きちんと話そうとした。

「最、貯がかなり減ってるよ」

「母さんに渡してるんだから仕方ないだろ」

「自分のお遣いからなら何も言わない。でも、これはのおでしょう」

「自分の親を助けて何が悪いんだよ」

「助けることが悪いって言ってない。せめて先に相談してって言ってるの」

俊也は骨に面倒そうな顔をした。

「なんてまた稼げばいいだろ。由ってたいよな」

何を言っても、最は私がたいになる。

良さんの求を断れば「嫁としてげがない」。俊也に相談を求めれば「細かすぎる」。のでは、私が何も言わずに従っているだけ、庭は平ということになるらしかった。

決定に嫌になったのは、の旅だった。

久しぶりにで温泉へくことになり、私は何週もから楽しみにしていた。仕事の休みをわせ、宿を探し、周辺の観まで調べたのに、発のになって俊也が軽い調子で言った。

広告

「母さんもきたいって」

「え?」

「でにいるの寂しいらしいから。緒に連れていこう」

「夫婦の旅って言ってたよね」

「増えるくらいいいだろ」

良さんは当然のようについて来た。

旅、観先を決めるのも私。荷物を持つのも私。事の予約を取るのも私。良さんが量のお産を買えば、俊也は「持ってやって」と私へ渡してきた。

しかも旅代も、ほとんどこちら持ちだった。

帰宅してから私は俊也に言った。

「次にで旅するは、絶対にお義母さんを呼ばないで」

「分かったよ」

「本当に?」

「分かったって」

その約束からほど経った。

俊也が、珍しく自分から旅を提案してきた。

「由、このはいろいろ悪かった。今度の結婚記、旅かない?」

差しされたパンフレットには、私がからってみたいと言っていた温泉が載っていた。

「で?」

「もちろん」

私はを押した。

「お義母さんは?」

「呼ばないよ。今度こそ夫婦だけ」

その言葉を、私は信じてしまった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: