"金髪の女子高生に、娘が「ねえね」と手を伸ばした" 第4話
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その次に凛を見かけたのは、いつもの先ではなかった。
買い物を終えてへ向かう途、紬が公園の柵をつかんだ。
「ねえね、いた」
滑り台の向こうのベンチに、のが見えた。凛はひじを膝について、顔を伏せていた。元にはいたままのかばんがある。
「凛さん」
づいて声をかけると、彼女は急に顔をげた。目の周りが赤い。の甲で頬をぬぐい、こちらに背を向けた。
「何。今こっち通るんだ」
「紬が見つけて」
紬は俺のをすと、ベンチのにった。いつものように抱っこをせがむかとったが、しばらく凛の顔を見てから、いうさぎを差しした。
「みみ、どうぞ」
「……それは、だめでしょ」
「どうぞ」
「事なやつじゃん」
紬はうさぎを彼女の膝に載せた。そして自分も座りたがったので、俺が持ちげて隣へろした。
凛のがさくゆがんだ。笑おうとしたのだと分かったが、そのに涙が落ちた。
俺は買い物袋をベンチの端に置き、しれて座った。
しばらく、滑り台をりりる子の声だけが聞こえていた。凛はうさぎを膝に置いたままかなかった。紬も、珍しくおとなしく隣にいる。
「あの。話したくなかったら、そのままでいいんですけど」
俺は元へ線を落とした。
「もうし、ここにいてもいいですか」
凛は答えなかった。ただ、かばんをし自分のほうへ寄せた。
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元ののに、俺たち2と紬のが並んでいた。
「……笑う?」
しばらくして、凛が言った。
「何をですか」
「私が絵本作になりたいって言ったら」
俺は彼女のほうを見た。凛はうさぎのを指で挟み、こちらを見ないようにしていた。
「笑わないです」
「お母さんには笑われた」
をつまんでいた指がれた。
「学もろくにってないくせに、何言ってんのって。就職したくないだけでしょって」
「それで、けんかに?」
「……うん。向こうの言ってることも分かるんだけどさ」
凛は度、をすすった。
「どうせ私が言ったら、何だってふざけて聞こえるんだよ」
否定しかけて、やめた。彼女の学での様子も、でのやり取りも、俺はらない。
元のかばんに、いスケッチブックが入っていた。いたファスナーの隙から、角の擦れた表が見える。
「描いたもの、見せてもらえませんか」
「仕事のに見せるようなものじゃないし」
「じゃあ、紬に見せてやってください。俺は横から見ます」
紬が自分の名に反応し、かばんをのぞき込んだ。凛はし迷ってから、スケッチブックを取りした。そのに、茶いものが見えた。
古いうさぎのぬいぐるみだった。片方のが寝ていて、の糸がくなっている。
凛は俺の線に気づくと、かばんのを閉じた。
かれたページには、うさぎとさな子どもがいた。
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続けてめくると、公園、玄関、卓。物のきさはページによって違い、もまだ塗りかけだった。
でも、靴を脱ごうとして靴まで脱げたや、机に届かず伸ばした首は、よく見て描いてあった。
褒める言葉を待たれているのは分かった。ただ、慌ててだと言うのは違う気がした。俺は最初のページへ度戻り、紬がどの絵を指すのか見ていた。
「これ、うちの子?」
「そのつもり。似てないけど」
「みみ、いた」
紬が絵を指し、膝ののうさぎと見比べた。凛はしだけ笑った。
最のページで、俺のが止まった。
病院のベッドに、子どもがひとり座っていた。顔は描かれていない。布団からたさなが、茶いうさぎの胴をくつかんでいる。
「これは?」
「そこはいい。まだ途だから」
閉じようとした表に、俺はそっとを添えた。
「この子は、誰を待ってるんですか」
凛のが止まった。
かばんのから、古いうさぎのがしだけはみしていた。