"役立たずの僕が、上司を救った夜" 第5話
写真にいない
話を切ったあとも、凛は携帯を置かなかった。画像を拡し、端から端まで確かめている。
「私、笑ってるように見える?」
健太は画面を見た。凛が顔を背けた瞬を横から撮った写真だった。男のも、彼女の退を塞いでいたも、画面には入っていない。
「見えません。でも、らないが見たら、話をしている写真には見えます」
凛は頷き、送られてきたメールを転送してもらった。件名には、取引継続に関する報、とあった。差の名に覚えはなかった。
それから30分で、別の取引先からも話が来た。確認したいという、司に説するまで発注を待ちたいという。凛は件ずつ、事実と異なること、正式に事を説することを伝えた。
17、総務部に会議へ呼ばれた。
健太も、現にいた社員として同席した。榊原はすでに着席しており、机には写真を印刷したが並んでいた。
「困ったことになったね」
労わるような声だった。
凛は子を引いたが、座るに答えた。
「私はを塞がれ、首をつかまれました。そののうちに警察へ説しています」
相談した刻と所をいたメモを差しす。総務部は受け取り、確認すると言った。
榊原は別のをねた。
「ただ、お父さんとは以から付きいがあったそうじゃないか」
広告
凛のが子の背で止まった。
「誰から聞いたんですか」
「こちらにも報は入るよ。君個の事を責めたいわけじゃない。会社として、取引先に説できるかという問題だ」
健太はの位置を見ていた。写真は3枚あった。同じ所、ほとんど同じ瞬。撮者は通りすがりに度だけ携帯を向けたのではない。
「父が昔、怪をしたを助けたと聞きました。それを、私の交友関係として説されても困ります」
「では、それ以に付きいはないと?」
「ありません」
「今朝、藤君がその物と会ったのは?」
自分へ向けられた線を、健太は受け止めた。
「俺が話を聞きました。鳥課には、先に連絡しています」
「善はわかる。しかし、で判断するに会社へ相談するべきだったね」
総務部が咳払いをした。
「事実確認は必です。、社にも報告します。それまでは顧客への説を総務と営業部で引き取ります」
「私から引き継ぎます。ただ、説する内容は確認させてください」
凛はようやく座った。膝のでをが包んでいた。
翌朝、会議には社と営業部も席した。健太は呼ばれるまで廊で待った。から凛の声が聞こえる。きくはないが、と同じことを、言い直している声だった。
扉がき、総務部に招かれた。
凛のには顧客覧と引き継ぎ用の式があった。
広告
榊原が説を続けていた。
「疑いがれれば戻ればいい。今は会社に迷惑を広げないことを優先してほしい」
「疑いがあるというだけで、私が何を認めたことになるんですか」
「認めろとは言っていないよ」
総務部の携帯が振した。画面を確認し、凛に告げる。
「社内アカウントは、いったん利用を止めました。資料は消していません」
凛は机のの自分の携帯を見た。着メールをこうとしても、認証画面から先へまない。
榊原がペンを彼女へ転がした。
「まずは、担当をれることだけ確認してくれるかな」
健太は写真の枚をに取った。自分が買い物袋を置いた所は、ちょうど切れていた。そこにっていた自分が消されれば、凛を助けに入ったも、助けが必だった理由も消える。
凛が式を引き寄せるに、健太はを置いた。
「この写真には、もういました」