"60日間見舞いゼロの夫、退院した妻に600万円を要求" 第19話
百メートルの夜景
季節は巡り、の寒さがらいだ翌の。
京都千代田区町。
本経済の枢に聳えつ、階建ての超層インテリジェントビル『神堂グループ・グローバルタワー』。
その最階に位置する、広な最総帥。
井メートルの全面ガラス張りのパノラマウィンドウの向こうには、夕暮れから宵へと移ろう京の並みが、まるで宝箱をひっくり返したかのように煌めいていた。
黒漆塗りと真鍮で仕てられた巨なエグゼクティブデスクに、私は腰掛けていた。
に纏うのは、仕ての良い漆黒のカシミアジャケット。
胸元には、胸術の傷痕を優しく隠すように、淡いシルクのスカーフが巻かれている。
神堂グループ直轄の先端医療センターで受けた再医療とリハビリにより、能は完全に回復し、体の痛みは微も残っていなかった。
コンコン、と控えめなノックとともに、弁護士が入してきた。
には、分い革張りのバインダーが収められている。
「総帥。剛田達也ならびに数の刑事裁判の第審判決が、先ほどされました」
「結果は?」
「達也に対し、特別背任および業務横領の罪で懲役の実刑。数に対し、同共犯で懲役の実刑。弁護側の控訴は棄却され、両名とも本をもって刑務所へ収監されることが確定いたしました」
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が淡々と報告を続ける。
「また、麻布の旧邸宅の改修事も完いたしました。汚染された内装はすべて撤され、現はグループの迎賓館および先端医療研究のサテライトオフィスとして、清らかな空へとまれ変わっております」
「ご苦労様でした、さん。……本当に、すべてが終わったのですね」
私が静かに窓のへ線を向けると、は温な笑みを浮かべ、バインダーから枚の決裁文を取りしてデスクのに置いた。
「そして、こちらが総帥よりご命いただいておりました、しいプロジェクトの最終認類でございます」
類の表題には、文字でこう記されていた。
【般財団法 神堂先端臓血管医療支援基 設認申請】
私がの境をさまよったあのの経験を無駄にせず、全国の急性筋疾患に苦しむ患者や、度な医療費を払えない子供たちを救うために設した、総額数百億円規模の医療支援財団の設文だった。