"60日間見舞いゼロの夫、退院した妻に600万円を要求" 第15話
へ放りされた義妹
「ひっ……! お、お義姉様……」
真由美はにへたり込んだまま、涙とでメイクを崩して震えていた。
先ほどまで「使えない財布」と私を嘲笑っていた威勢はどこへやら、子犬のように怯えきった目で私を見げている。
京裁の執官が、徹な事務調で真由美のにった。
「剛田真由美さんですね。本物件は、所者であるミオ・エステート同会社への即け渡しが決定いたしました。あなたに居権はありません。私物をまとめるもありませんので、今すぐ敷へ退してください」
「え……!? う、嘘でしょ!? 私のは!? バッグは!? これからどうやって暮らせばいいのよ!」
真由美が鳴をげる。
「私財の持ちしは切認められません」
弁護士が歩にみた。
「あなたが所持しているブランド品、貴属の類は、剛田達也氏が会社から横領した資で購入された疑いがあるため、裁判所の保全命令によりすべて差し押さえの対象となっております。また、剛田物産の連帯保証債務に関する差し押さえ続きも並してです」
「そ、そんな……! 私、関係ないじゃない! お兄ちゃんとお母さんが勝にやったことよ!」
内を平然と売りばす浅ましさに、執官の眉がそうに歪んだ。
「言い逃れは裁判所でどうぞ。
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……執員、退させなさい」
屈な警備員名が真由美の両脇を抱えげ、問答無用で玄関へと引きずっていく。
「しなさいよ! 私のよ! お義姉様ぁぁっ! ごめんなさい、私が悪かったわ! 何でもするから、お願いだから追いさないでぇぇっ!!」
バタンッ!
巨な玄関ドアが、容赦のない音をてて閉ざされた。
初のたいが吹き荒れる麻布のへと、着の着のままで放りされた真由美の絶叫が、防音扉の向こうへと消えていった。
静まり返ったリビング。
には、達也たちが散らかした座の袋と、割れたワイングラスの破片、そして汚れた溜まりが無惨に残されていた。
「……総帥」
が私の隣に歩み寄り、静かに礼した。
「剛田物産の倒産続、ならびに達也氏との婚調・損害賠償請求訴訟の類は、すべて準備がっております。総帥の子署名つで、法な関係は完全に断絶されます」
「ええ、めなさい」
私は元の端末を受け取り、迷いなくスタイラスペンをらせた。
剛田美桜という偽りの名を捨て、自らのの主権を完全に奪還した瞬だった。
「このにある彼らの痕跡は、すべて廃棄処分にしなさい。具も、絨毯も、壁に至るまで、すべて剥がして消毒すること。……欠片の汚れも残してはなりません」
「かしこまりました。
直ちに特殊清掃と改修の配に入ります」
私は割れたワインの匂いが漂うリビングに背を向け、歩歩、確かな取りで玄関へと歩きした。
胸骨の傷はもう痛まなかった。
私を縛り付けていた偽りのの呪縛は、今、完全に解き放たれたのだ。