"60日間見舞いゼロの夫、退院した妻に600万円を要求" 第14話
特捜部の突入と錠の音
「剛田達也。ならびに剛田数」
神崎警部の野太いが、理の壁を震わせた。
刑事たちが胸元から斉に警察帳を掲げ、の顔のに突きす。
「警庁捜査課だ。貴様ら両名に対し、会社法違反(特別背任)および業務横領の容疑で、裁判所より逮捕状がている!」
「た……逮捕……!?」
達也の顔から、完全に正気が吹きんだ。
「な、何を言ってるんだ! 俺は社だぞ!自分の会社のをどう使おうと、俺の勝だろうが!」
「寝言をほざくな」
神崎警部が怜悧に告げる。
「おが架空請求をでっちげて発資座から引きした千百万円の使途は、すべて裏付けが取れている。への当、クラブでの豪遊、そして母親である数への正送だ。数、おも横領の共犯として逮捕する。おが入した現と、座のブティックで決済したカードの刻・額は、円単位で完全に致している」
「いやぁぁぁっ! 私はらないわよ! 息子がくれたお遣いを使っただけじゃないの!」
数が髪を振り乱し、見苦しく叫びながらを転げ回る。
「美桜さん! 美桜さん助けてちょうだい! 私たち、族でしょう!? 見いにかなかったのは悪かったわ、謝るから! 警察を止めて!」
「族?」
私は淡に眉を吊りげた。
「私の命をゴミのように扱い、にかけている妻の通帳の所を聞きそうとしたが、今さら族を名乗るのですか? 虫酸がります」
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「美桜……頼む! のお願いだ!」
達也が私の元にい寄り、靴の爪先に額を擦り付けて号泣した。
「俺が悪かった! とも今すぐ別れる! も全部返す! だから会社を潰さないでくれ!逮捕だけは勘弁してくれぇぇっ!」
「遅れです」
私は歩ろへがり、夫のすがりつくを徹に振り払った。
「神崎警部。連してください」
「よし、確保しろ!」
捜査員たちが斉にびかかり、でのたうつ達也と数の腕をねじりげた。
カチャリ。カチャリ。
くたい鋼鉄の錠が、達也と数の首に容赦なくい込んだ。
属の擦れう鈍い音が、かつてを語りったリビングに無慈に響き渡る。
「いやだぁぁ! しなさいよ! 私は社の母よ! セレブなのよ!」
「美桜ぉぉぉっ! 許してくれ! 美桜ぉぉっ!!」
喚き散らし、失禁してを汚しながら引きずられていく。
その醜態を、私は度も目を背けることなく、ただ絶対零度の差しで見送った。
リビングの隅で、真由美が恐怖のあまり腰を抜かし、ガタガタと震えながら縮こまっていた。
彼女に向けられる私の線には、りすら含まれていなかった。
ただ、埃を見るような無関があるだけだった。