みかん小説
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"大正、子守奉公の少女" 第11話

晩の

神戸の港に着くと、私はのきさに息をのんだ。これほどきなものがに浮かぶのかとうと、がすくんだ。岸壁には荷を運ぶがき交い、聞き慣れない言葉や汽笛の音が混じりっていた。

私は川のたちのろをれないように歩き、にした荷物の紐を何度も握り直した。

は晩揺れた。最初のうちは甲板へてを眺める余裕もあったが、波がくなると気分が悪くなり、事が喉を通らなかった。の井を見つめていると、関の響きがを通して体に伝わってきた。

どちらを向いてもしかない所では、歩いて帰ることも、次の汽に乗り換えることもできない。私はその当たりのことが恐ろしかった。

緒に渡るの者は、私が青い顔をしているのを見てを持ってきてくれた。「初めてなら仕方がない」と言われ、私は申し訳なくった。働きに来たのに、まだ何もしていない。けれどちがろうとするとがきく傾き、また座り込んだ。

体がうようにならないは、気持ちまでくなるものだった。

夜、のさな窓から暗いが見えた。故郷のも京の敷も、今は同じようにい。私は母にをくつもりで帳面をいたが、何からけばよいか分からなかった。のにいることを伝えたら、母は配するだろうか。

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無事に着いてかららせればよいと考え、帳面を閉じた。

のでは、同じようにいへ向かうたちと顔をわせた。私は隣の席の女性に、酔いをらげるにはどうすればよいか尋ねた。女性は「しずつをんで、無理にべないこと」と教えてくれた。

私は礼を言い、その通りにした。旅の途でに助けを求めることは、いからではない。らないことをらないと言えるようになった自分を、私はし頼もしくった。

やがてが連に着いた。港には見慣れない装の々がいて、建物の形もの広さも本で見てきたものと違っていた。私は荷物を持って列に乗り換えた。窓のには広いが続き、ときどきや畑が見えた。

どの景にも、私がっているの名はついていなかった。

連で列を待つ、私は港の々を眺めた。本語だけでなく、聞いたことのない言葉があちこちから聞こえる。荷を運ぶも、商いをするも、それぞれ忙しく働いていた。

私はこれまで自分の暮らしが苦しいとってきたが、このにも別の仕事と別の活があるのだろう。らない国へ来たのではなく、誰かの暮らしている所へ入っていくのだと、そのとき初めて考えた。

旅順へ向かう、私は緒にいたから、これからむのことを聞いた。

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子どもがいること、敷がきいこと、の寒さが厳しいこと。には国の使用も働いているという。

「言葉が通じなかったらどうしましょう」と尋ねると、「しずつ覚えればいい」と返ってきた。京で初めて台所にったをいした。私はまた、何もらないところから始めるのだ。

駅をりると、の匂いが違った。との匂いが混じり、くからの声が聞こえる。迎えのに揺られながら、私は窓のを見続けた。らないで、らないの子を世話する。歳のころと同じ仕事のようでいて、今度は国を越えていた。

敷のがいたとき、私はわず荷物を抱え直した。の向こうには、つも部があるというが建っていた。私は自分の部を与えられると聞いて、さらに驚いた。初めて奉公にた夜は、赤ん坊の声で何度も起こされた。

ここでは、扉を閉めればになれるのだろうか。そんなことを考える自分が、しおかしかった。

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