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"「祖母が危篤」と10万円を求めた夫の大嘘" 第19話

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双子が歳半になった頃、幸はようやく消費者融社の借を完済した。返済を優先したため、活は楽ではなかったはずだ。けれど毎の細には、予定した額が積みなっていた。私は最初の通帳に付けた赤い印を見返した。あれから何個も印が増え、初めてつの借が終わったのだ。

私の座から使われた百万円は、まだ全額戻っていない。原田や親戚への返済も続いている。私は夫が『完済』という言葉を使うとき、何が終わり、何が残っているのかを必ず確認した。以のように、都のいい部分だけを見てすることはしなかった。幸も最は、残の覧を自分から送ってくるようになっていた。

幸は、消費者融の返済が終わったも、私への振込額を減らさなかった。余裕ができた分を別の債務へ回し、残の表を更していた。私はその表を見ながら、返済は度のきな決ではなく、何回ものさな選択の積みねなのだとった。だからこそ、何かが終わったときほど、次のも同じように続けられるかを確かめたかった。

ある、保育園の先から族の写真を持ってきてほしいと言われた。子どもたちが自分の族を紹介する活をするらしい。私は母と松さん、私と双子の写真を選び、幸が港で撮った写真も枚入れた。

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は父親の写真を指さし、「パパ、さかなのおしごと」と得げに言った。陸は松さんの写真を見て「だいこん!」と叫んだ。

私はその景を見て、族の形はつではないのだとった。同じにんでいなくても、子どもたちにとって幸は父親であり、松さんは切なひいおばあちゃんだ。私は夫婦としての結論を急がず、子どもたちに必な関係をしずつ作ってきた。そこに嘘を混ぜなくて済むことが、何よりだった。

週末、幸が休暇で戻り、子どもたちと公園へった。私はしれたベンチから様子を見ていた。陸が転んだとき、夫はすぐに抱きげず、まず膝を確かめてから「てる?」と聞いた。が順番を待てずに泣くと、夫はしゃがんで話を聞いた。以なら私に任せていたことを、自分で考えていていた。

その頃、夫は休暇のたびに保育園の事予定を確認するようになっていた。仕事で参加できないは、もって先に伝えるための連絡帳を私と緒にいた。私は最初、そんなさなことまで説しなければならないのかとったが、夫が自分で覚えようとする姿を見て、任せることも必だとじた。父親の役目を、私が全部指示していては変わらない。

帰り、幸は「そろそろ緒に暮らせないかな」と尋ねた。私はすぐに答えなかった。

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子どもたちが楽しそうだったことと、夫婦の信頼が戻ったかどうかは別だからだ。「考えてはいる。でも、昔の活に戻るつもりはないよ」と伝えた。夫はしうつむき、「分かってる」と言った。

「私の座には触れないこと。計は数字を見せうこと。子どものことはで決めること。困ったら隠さず相談すること」。私はつずつ条件を伝えた。幸は途でを挟まず、最まで聞いていた。「それでも、私が無理だとったら別々に暮らす」。その言葉にも、夫はうなずいた。私は初めて、話しいが成しているとじた。

帰宅すると、が父親からもらった魚の絵を蔵庫に貼った。陸はその横に根の絵を描こうとして、緑の線を何本も引いた。私はの絵を眺めながら、には像できなかった暮らしをった。何もかも元どおりになったわけではない。それでも、誰かの嘘を恐れて暮らす々からは、確かにくへ来ていた。

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