"死んだ母を名乗る女" 第17話
母の遺品理と仏壇の奥の
の連休。緑の青葉が眩しい季節、京から兄の斗がを取って帰省してきた。 「美咲、本当にご苦労だったな。俺が京にいながら、おにばかり危険な役回りを押し付けてしまって悪かった」 実の玄関で、斗は々と私にをげた。 「ううん、お兄ちゃんが信用報の調査や弁護士の配を全部裏でかしてくれたからよ。お兄ちゃんのおかげで、完璧に追い詰めることができたんだから」
私たちはで作業着に着替え、実の本格な遺品理を始した。 叔母が巣っていた階のと袋は、専の清掃業者を呼んですべて消毒し、な財具はすべてトラックで搬した。 気な気配が漂っていたのは、窓をけ放つたびにの爽やかな薫が吹き抜け、かつて両親とで笑いっていた頃の、温かな空気を取り戻していった。
作業の、階の仏壇を綺麗に磨きげていた斗が、突然声をげた。 「おい、美咲。ちょっと来てくれ」
駆け寄ると、斗は仏壇の引きしのさらに奥、枠の隙に挟み込まれていた、通の古びたの封筒をにしていた。 封表には、母の優しく丸みのある達な文字で、こう記されていた。【斗へ、美咲へ 私の切な子どもたちへ】
「母さんのだ……」
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私たちは息を呑み、畳のに正座して、震えるで封をけた。 から現れた便箋には、病状がし、文字をくことすら苦痛だったはずの母が、命を削るようにしてき残した遺言が綴られていた。
『斗、美咲。 このを読んでいるということは、私の命の灯も消えてしまったですね。 には、寂しいいや苦労ばかりをかけてしまって、本当にごめんなさい。
千恵子のこと、あなたたちに余計な荷を背負わせてしまうのではないかと、それだけが残りです。 あの子は昔からがく、おや見栄に惑わされてを踏みしてしまいました。 もしあの子が私の、あなたたちに迷惑をかけるようなことがあれば、決してに流されてはいけません。 毅然とした態度で、自分たちのを守りなさい。
そして、美咲。 池田文彦さんという、私が偶然公園で助けをした紳士のことを覚えていますか。 あの素らしいご族との会いは、私のの最に神様がくれた、最のご褒美でした。 文彦さんの息子さんの義親さんは、真面目で、優しく、を肩きや偏見で見ない、本当に素敵な青です。 もし美咲にまだ良いご縁がないのなら、度会ってみてほしいと、文彦さんから温かいお話をいただいていました。 もちろん、決めるのは美咲、あなた自ですよ。
私は、あなたたちの母親になれて、から幸せでした。 どうか、自分を切に、を向いて笑ってきていってください』
涙が、音もなく便箋のに落ち、母の文字を滲ませた。 母は、すべてを見通していたのだ。 叔母のさと狡猾さ、私たちが直面するであろう苦難、そして――私たちに残された未来のまでも。 斗が静かに私の肩を抱き、私たちは仏で、声をげて泣いた。