"死んだ母を名乗る女" 第10話
暴かれた偽社の正体
「川島さん! 何とか言ってよ!」 パニックに陥った叔母が、隣につ自称・産会社社の腕にしがみついた。 「この娘が、私を罠に嵌めたのよ! あなた、顧問弁護士を呼んで、こいつらを全員訴えてやってちょうだい!」
しかし、川島は叔母のを汚い汚物でも払うように振りほどき、額からダラダラと脂汗を流しながら目を泳がせていた。 「いや……私は、ただ坂さんに頼まれて、産の売買仲介の相談に乗っていただけでして……庭内の法侵入などとは、ほどもらず……」
「見苦しい言い訳はやめなさい、川島秀さん」 私がをくよりく、池田の隣にっていた髪の紳士が、鋭いを浴びせた。 その凛とした声の圧力に、川島はビクッと肩をねがらせ、直の姿勢で直した。
紳士は懐から枚の調査報告を取りし、鏡のブリッジを指先で押しげながら、淡々と読みげた。 「川島秀。歳。……株式会社カワシマ・エステートなどという法は、都内の商業登記簿のどこにもしません。あなたが名乗っているその肩きは、完全な経歴詐称ですね」
「な……なんですって!?」 叔母の目が、びさんばかりに見かれた。
紳士の徹な声が続く。 「あなたの本職は、駅再発区の解体事現で働く、雇いの交通誘導警備員だ。
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半まではパチンコの清掃員、そのはコンビニの夜アルバイトを転々とし、消費者融からの借入総額は百万円を超えている。……坂千恵子が『くなった姉の遺産が入る』と吹聴したのを真に受け、遺産を分けする目で、偽の社を演じてづいた……違いますか?」
バサリ、と川島の元に投げ落とされた報告。 そこには、川島がヘルメットを被り、埃まみれの作業着で誘導灯を振る姿が、克に写しされた写真が添付されていた。
「ひ……秀……? あんた、社じゃなかったの……!?」 叔母が裏返った鳴をげて川島に詰め寄る。 川島は観したように舌打ちをし、き直ったように鳴り返した。
「うるせえババア! おだって『実を自由に処分できる』とか嘘ついてただろうが! が入るって言うから付きってやってたのに、蓋をけてみりゃただの無文の法侵入者じゃねえか! 巻き込むんじゃねえよ!」
罵りいを始めるの醜態を、私はたい目で見ろしていた。 欺瞞と欲だけで結びついていた共犯関係の、あまりにも呆気なく、無惨な自壊。
だが――私の本当の戦いは、ここからだった。 私は、川島を鋭いで射抜いていたあの髪の紳士に向き直った。 そして、胸の奥底で渦巻いていた、最の謎を解きかすための問いを投げかけたのだ。
「……あなたが、母にあの【現留】を送り続けていた、本当の送り主ですね?」
紳士は静かに頷き、その温な差しを私に向けた。 そして語られたその真実は、き母が遺した、あまりにも尊く、あまりにも美しい「ある秘密」の始まりだったのだ――。