"五歳で売られた天才少女、悪意を嗅ぎ分け父を救う" 第17話
悪辣なる祖母の末
「何の騒ぎだい、貧乏どもがゾロゾロと……!」 箒を片に、汚れた掛け姿で玄関からてきた呉桂は、自宅の庭を包囲した無数の軍用と警察官を見て、瞬ぎょっと目を剥いた。 だが、の胸のに抱かれているゆえんの姿を認めた瞬、そのシワだらけの顔が凶悪なりに歪んだ。
「あんた……! この疫病神のクソガキ! よくも郭の旦のところから逃げしやがったね! おかげでを返せって毎鳴り込まれて……!」 桂は箒を振りげ、ゆえんに殴りかかろうとした。 「おい、そこの男! そのガキの父親気取りかい!? 娘を妊娠させて逃げたくせに、今更どの面げて来やがった! 娘を連れて帰りたいなら、これまでの養育費として万元……いや、万元を括でを揃えて払いな!」
カチャリ――。 が無言のまま引き抜いた軍用拳銃の銃が、桂の眉からわずか数センチの位置に突きつけられた。 たい鉄の触に、桂の喚き声が喉の奥で「ヒッ」と引き攣って止まった。
「貴様のようなに、蘭の名をにする資格はない」 のく唸るような声が、気を震わせた。 「蘭が病に倒れた、医者を呼ぶのを拒み、薬を蹴り倒したのは貴様だな? ゆえんを産んでしか経っていない体にで洗濯をさせ、最は百元で売りばした……その罪、万に値する」
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「な……何を証拠に……! で、鱈目だよ! 母親が娘をどう扱おうと、のったことか!」 桂が狂ったように喚く、の奥から、桂の夫――ゆえんの祖父が、腰を抜かしていずりてきた。 老はのに額を擦り付け、涙を流して叫んだ。
「す、すまねえ……! 全部本当なんだ! この性悪女が、蘭をこき使って、飯もろくにわせなかったんだ! 俺がから採ってきたましの薬も、この女がで蹴り倒した! ゆえんを売ったで、自分の息子たちに酒をませてたんだ……! 俺がだらしねえばかりに、蘭を救えなかった……!」
「この役たずのクソジジイ! 何余計なこと喋ってんだい!」 桂が夫に掴みかかろうとした瞬、武装警察官たちが斉にびかかり、桂の両腕を背にねじりげて錠を打ち込んだ。
ガチャリ!
「痛い! しなさいよ! 息子たち、助けておくれ!」 桂が叫ぶが、男や次男たちは、の放つ圧倒な殺気と、警察の銃のに震えがり、誰としてにようとはしなかった。 さらに、裏から逃を図ろうとしていた売買ブローカーの郭富夫妻も、先回りしていた別隊によって完全に包囲され、のに組み伏せられた。
「ゆえん……ゆえんちゃん! おばあちゃんが悪かったよ! お願いだから許しておくれ、警察に言って釈放させておくれよ!」
にまみれて願する桂に、ゆえんはの腕のから、静かに、だが凛とした声で告げた。
「おばあちゃんは、悪い。ママを殺して、ゆえんを豚に閉じ込めた。……悪いことをしたら、パトカーに乗ってお仕置きを受けるのが、この世界の決まりなんだよ」
酷なサイレンの音がに響き、悪鬼の如き老婆は、度と戻れぬ鉄格子のへと連されていった。