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"車椅子の妻を離島に置き去り――船上の夫が見たもの" 第16話

奪われなかった署名

枝先と緒に作った覧表には、事故の来事が付順に並んだ。最初は通院の付き添いを断られた、次に銭管理を求された、施設への相談、私の署名を真似た類、帰りの切符が枚だけの旅。島での置きりと、そのの虚偽の説。来事をつずつ並べると、私がじていた恐怖は気のせいではなかったと分かった。

警察へ追加の相談にったとき、私はこの覧表を持参した。島田さんの記録と会社の乗報は、警察からの照会に応じて確認がんでいるという。姉に送られた夫のメッセージも提した。担当者は「刑事事件としての評価は捜査を踏まえますが、危険な状態に置かれた事実はく受け止めています」と説した。私は結果を急がず、事実を正確に残すことに集した。

方、財産管理の問題では別のきがあった。の担当者から、夫が私の旧所宛てに送られた郵便物を使い、代理続きについて問いわせていたと連絡が入ったのだ。実際のはわれず、本確認が必だと案内されたという。私は所変更の続きをめ、からのな通が夫の元へ届かないようにした。

「これまでの活で、何でも夫婦で共してきたことが、今は点になっているんですね」

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。私が言うと、員は「ご本が全に管理できる方法を緒に考えましょう」と答えた。私はしい連絡先を登録し、取引通を姉ではなく自分の端末で受け取れるよう設定した。姉には必なときだけ相談する。誰かにすべて任せるのではなく、助けを借りながら自分で管理する方法を選んだ。

数、枝先が事実確認のため照会していた岡企画から、事務所へ資料が届いた。退職した経理担当者がを教えてくれた収支表の写しだった。そこには「野千紗より資予定 千万円」とかれ、私の名の横に印鑑の画像が貼り付けられている。私はその印鑑を見て息をんだ。結婚したときに作った認印で、今はほとんど使っていないものだった。

「これ、私の印鑑を写真に撮ったものです。押した跡ではありません」。私は画像の輪郭を指した。実物の印ならの繊維にインクがにじむはずだが、そこには角いい背景が残っていた。経理の仕事で類を扱ってきた経験から、私はすぐに気づいた。枝先は原本と作成経緯の確認が必だとし、易に断定せず証拠を理した。

岡企画は夫の説を信じ、資予定額を資計画に入れていたらしい。だが私は資の約束をしたことも、会社の説を受けたこともない。私は枝先を通じて、私名義の資承諾はしないと正式に伝えた。

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会社からは「確認します」とい返事が来た。相の事がどうであれ、私の財産を勝に計算へ入れることは許されない。

その夜、夫から姉へ「千紗がをさないせいで、何もの活が壊れる」と連絡があった。私はその文章を見て、以なら罪悪を覚えただろうとった。けれど誰かの活がかかっているなら、なおさら私のらないところで資を約束してはいけなかった。責任を負うべきなのは、私のを当てにして計画をめたたちだ。

私は姉に「返事をしなくていい」と伝えた。子は静かに頷き、の閉に緒に夕を作った。私は座ったまま野菜を切り、姉が鍋をにかける。で分担すれば、特別なことではない。夫はいつも「おには何もできない」と言ったが、私はできないことだけでできているではなかった。

事を終えたころ、枝先から話が入った。岡企画の代表が、私との面談を求めているという。夫の説と違う事実がてきたため、直接確認したいらしい。私は「先が同席するなら」と答えた。ようやく、夫の背にいたと向きうときが来た。

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