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"車椅子の妻を離島に置き去り――船上の夫が見たもの" 第15話

「歩けるなら詐欺だ」

夫が保険会社へ連絡したことをってから、私はリハビリの記録を読み返した。事故直の筋力評価、装具の処方、子での移能力、秒の位練習。どの類にも回復の経過が正確に記されている。私はその記録を見て、隠していたことなどつもないと確かめた。夫にだけ、びを伝えるのをやめただけだった。

枝先は「保険会社への説は医療記録に沿っていましょう。ご主とのなやり取りは必ありません」と助言した。私は担当医から、現の能と常活の制限について文をもらった。位が能なはく、歩は実用な移段ではない。障害の状態は固定な枚の写真ではなく、治療と訓練ので変わるものだとかれていた。

保険会社との面談では、私は自分で説した。夫に送った「秒てた」というメッセージも示した。隠していたのなら、わざわざ夫へらせるはずがない。担当者は記録を確認し、現点で正を裏づけるものはないと説した。正式な扱いは必な確認を経て決まるが、私はようやく根拠のない言いがかりに振り回されずに済むとじた。

その夜、夫から私のしい連絡先へ着信があった。番号は教えていないはずだった。私はずに枝先へらせた。

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翌朝、夫の代理だという弁護士から文が届いた。「妻は夫の献介助を受けながら回復を隠し、夫を方に非難している」とかれている。さらに「夫婦関係を修復するため、直接の面談を希望する」とあった。

私は文を読み、返事を枝先へ託した。直接会うつもりはない。必な話は代理を通す。島へ連れていかれた、夫は私のを何度も無した。今になって話しいたいと言われても、私ができる条件をえないまま会う理由はなかった。

数、いがけない相から話が来た。岡企画の経理を担当していたという男性だった。枝先の事務所へ連絡を入れ、正式な続きを経て私と話すことになった。男性は会社を退職したばかりで、未払いの与について相談している最だという。彼は「啓介さんが、奥さんの賠償を資繰りに使えると話していた」と証言した。

「そのには岡社もいました。奥さんの承諾は取ってあるのかと聞いたら、啓介さんは『妻は俺がいないと活できないから、最には従う』と言ったんです」。私は元のメモにその言葉をいた。夫は私の障害を、交渉の材料としてに説していた。彼が求めていたのは協力ではなく、私が断れない状態だったのだ。

男性はさらに、夫が岡へ渡した計画のを話した。

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賠償の部を貸別荘事業へ投じることを提にした収支表があり、妻の署名があると説されていたという。私はそんな類を作っていない。枝先は男性に、持っている資料の保管と、必に応じた正式な提供方法を説した。私たちはまだその原本を見ていなかったが、夫の計画がのいつきではなかったことはらかになりつつあった。

そのの夕方、姉のに啓介が現れた。先で待ち伏せし、「千紗をせ。話せば分かる」と迫ったという。姉はの奥へがり、従業員に警察へ連絡してもらった。夫は通報すると告げられるとったが、入に置かれた鉢がつ倒れて割れていた。子はその写真も残した。

私は姉の話を聞き、今までよりいりをじた。夫は自分のの問題を解決するために、私だけでなく姉の仕事まで脅かしている。私は枝先へ「これ以、族を巻き込ませたくありません」と伝えた。先は全確保の相談をめるとともに、夫の為を系列で理し直そうと提案した。私がにする次の言葉は、もう謝罪ではなかった。

「私の活を、私のに戻したいんです」

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