みかん小説
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"一年後の請求書" 第16話

とツルハシの

季節は巡り、真の太陽が容赦なく照りつける。 千葉県郊の、埃がち込める規模な解体事現。

「おい、! が止まってるぞ! さっさとそのコンクリートガラをダンプに積み込まんか!」 配の現監督の号が響き渡った。

「は……はいッ! ただいまッ!」 作業着をと汗でドロドロに汚した向が、鳴のような返事をしてツルハシを振るっていた。 かつてカフェのの効いた特等席で、指先だけでコントローラーを弾いていた青い肌は見るもなく、焼けで真っ黒に焦げ、無数の擦り傷とマメに覆われていた。

「くそっ……い……ぬ……」 キロ以あるコンクリートの塊を持ちげようとして、腰に激痛がり、のに膝をつく。 周囲の職たちからは、け容赦ない罵声がんでくる。 「何やってんだ、学! 領が悪すぎるぞ! そんなチンタラいてたら、今の飯抜きにするぞ!」

「す、すみません……!」 をげ、を顔に浴びながら作業を再する。 スマホは父親に没収され、元にあるのは通話能しかない旧式のガラケーだけ。 まいも、現の敷内にある畳半のプレハブ。エアコンはなく、扇が台カタカタと音をてて回っているだけの過酷な環境だった。

毎の料は取りで約万円。 そのうち万円は、父親の座へ借返済として引きされ、元に残るのは費と活費のわずか数万円。

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コンビニで百円のたい麦茶を買うことすら躊躇うほどの極貧活だった。

昼休憩のチャイムが鳴り、はプレハブのに座り込んで、配されたたいおにぎりをに詰め込んだ。 ふと、胸ポケットのガラケーを取りし、かつて自分が入り浸っていた『カフェ・テツ』のホームページを検索してみた。

画面に映しされたのは、しく導入されたピカピカのエスプレッソマシンと、笑顔でコーヒーをむ客たちの写真。 そして、自分が座っていた奥の席には、楽しそうに談笑する老夫婦の姿があった。

『カフェの設備を使う権利がある』 『主の価値観を押し付けるな』 『はい、論破』

かつて自分が吐き散らした傲な言葉の数々が、鋭い刃となって脳裏に突き刺さる。 あそこは、国だったのだ。 わずか百円のコーヒー杯で、涼しいに吹かれ、何もゲームに没させてくれた、あの所のありがたみ。 主の静かな優しさに甘え、の迷惑を嘲笑い、踏みにじってきた自分の浅ましさ。

「俺は……なんてバカなことをしたんだ……」 おにぎりに、粒の涙がポロポロとこぼれ落ち、と混ざりっていった。 だが、どれほど悔しても、失われた学活も、自由なも、度と戻ってはこないのだ。

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