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"時給1111円で高齢者5人を雇った結果" 第6話

のに現れた男

値げキャンペーンが終わると、ハイパーラーメンの客数はいったん落ち着いた。

方で、うちには以よりしくの客が残った。

「向こうが売りしてくれたおかげで、こっちをったもいるんですね」

俺が言うと、青さんは笑った。

「商売は分からんもんだ」

だが、順調だったのは数だけだった。

曜の昼。

のに並んでいた客から、言い争う声が聞こえた。

「俺が先だっただろ!」

「いや、私たちが先に並んでいました」

へると、代くらいの男が族連れに詰め寄っていた。

「どうしました?」

俺がに入る。

男は乱暴に言った。

「こいつらが横入りしたんだよ」

族の父親は困った顔をした。

「違います。私たちは分から――」

「証拠あんのか?」

そのとき青さんがの軒を指した。

「あるぞ」

さな防犯カメラが設置されていた。

「先週付けたんだ。で待つ客が増えたからな」

映像を確認する必すらなかった。

男の顔が変わったからだ。

「もういいよ!」

そう言ってちった。

「変なですね」

俺は呟いた。

しかし。

同じ男が、今度は内に戻ってきた。

ラーメンと餃子を注文する。

料理を運んだのは桜さんだった。

桜さんが丼を置こうとした瞬、男が急にちがった。

ぶつかる。

そうった。

ところが桜さんは半歩がり、丼をひょいと避けた。

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スープ滴こぼれない。

「危ないですよ、お客さん」

「……ちっ」

「元タクシー運転なんでね。がびしてくるのには慣れてるんです」

隣の席の学がスマートフォンをげた。

「今の、わざとじゃないですか?」

男が睨む。

「何がだよ」

「俺、ラーメンの画撮ってたんですけど」

画面には、男が桜さんのきを見計らってちがる様子が映っていた。

内の空気が変わった。

桃子さんが静かに男のへつ。

「あのね」

声は優しかった。

「嫌いなに来なくてもいいのよ。でも働いているを怪させようとするのは違うでしょう」

男は黙った。

「警察呼ぶ?」

黒田さんが厨から顔をした。

「いや……」

「じゃあ、今は帰りな」

男は代だけ置き、逃げるようにをた。

俺はのため、防犯映像を保した。

その夜。

うちのコミサイトに、突然つの評価が件ついた。

《員の態度が最悪》

《齢者ばかりで》

《注文を違えられた》

どれも、その来ていないの投稿だった。

さらに翌朝には件増えた。

「偶然じゃないな」

青さんが言った。

俺もそうった。

だが誰がやっているか証拠はない。

「反論します?」

俺が聞くと、桃子さんは首を振った。

「個個喧嘩してたら、が疲れるだけよ」

その代わり桃子さんは、実際に来てくれた客へいつも以に丁寧に接した。

数。

評価のに、本物の客からのコミが増え始めた。

《子ども連れに優しい》

《おばあちゃんが顔を覚えてくれていた》

《炒飯が本当にうまい》

《のおじさんが驚くほどい》

偽物の悪評は、しずつ埋もれていった。

俺はほっとした。

しかし青さんだけは険しい顔をしていた。

「終わっとらんぞ」

「え?」

青さんは予約話の記録を見せた。

翌の昼。

注文が、突然件入っていた。

しかも届け先は町の、すべて違う方向だった。

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