"5000万円の新居に義両親が無断で引っ越し――夫の嘘" 第19話
自のみとすりのある部
季節は巡り、緑のがを吹き抜けるの連休。 私は駅のカフェで、義姉だった直子さんと久しぶりに顔をわせていた。 婚が成したも、直子さんとは互いの況を報告しう、良き友としての関係が続いていた。
「彩佳ちゃん、元気そうで本当に良かった! 仕事、順調みたいね」 アイスティーをんだ直子さんが、眩しそうに私を見つめた。 「ええ、薬の臨試験プロジェクトのリーダーを任されることになって。仕事部にこもって資料作りに没する毎ですよ」
「ふふ、さすが彩佳ちゃんね。……あ、そうそう。実の両親のこと、し報告しておこうとってね」 直子さんがし声を落とし、穏やかな笑みを浮かべた。 「あののね、両親、あの古い千葉の戸建てを本当に売却したのよ」
「えっ……売却されたんですか?」 「ええ。彩佳ちゃんに甘えようとしていた愚かさを骨の髄までいって、でちゃんと話しったみたい。あんな広くて階段の急なにしがみついていても、子供たちに迷惑をかけるだけだって。を適正価格で売却して、そのおで駅のくにある、バリアフリーのさな齢者向け賃貸マンションに引っ越したの」
直子さんの話によると、現の義両親のまいは、わずか平米ほどの1LDK。
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玄関や浴には最初からしっかりとしたすりが付き、段差が切ない設計で、毎の賃はの国民と貯の取り崩しで賄われているという。
「母ね、最初は『毎賃がていくなんてもったいない』ってブツブツ文句を言ってたのよ。でもね、先週遊びにったら、母が議そうな顔をしてこう言ったの。 『直子、毎おは減っていくけれど、なんだかすごく気楽なのよ』って」
「気楽……ですか」 「そう。『ここは誰のか、誰に気兼ねしなきゃいけないか、そんな余計なことを切考えなくていいから。自分たちのおで借りた、自分たちのだもの』ってね。父も隣で、満そうに頷いてたわ」
胸の奥に、温かい慨が静かに広がっていった。 の財産にタダ乗りし、息子の嫁を都のいい介護員として支配しようとしていたは、決してに入らなかった「の平穏」。 の丈にったコストを自ら支払い、自したでつことで、あの義両親もようやく、本当のでの「尊厳ある老」をに入れたのだ。
「健太はね……相変わらずあの狭いワンルームで、毎スーパーの見切り品の弁当をべてるみたい。同僚の結婚式ラッシュでご祝儀がりないって泣きついてきたけど、父がして追い返したわ。『の程をれ』ってね」 直子さんは悪戯っぽく笑い、私のを優しく握った。
「みんな、自分が選んだ所で、自分の責任できてる。……彩佳ちゃんのおかげよ。あの、あなたが毅然と追い返してくれなかったら、私たちは今頃、全員が共倒れになっていたわ」
「いいえ。私も、自分のきる所を守りたかっただけですから」 の笑い声が、初のテラス席によく溶け込んでいった。