みかん小説
本棚

"5000万円の新居に義両親が無断で引っ越し――夫の嘘" 第5話

インターホン越しの管理

ピーンポーン、ピーンポーン。 静かなリビングに響き渡る子音。受話器を取ると、画面には階の防災センターに詰めているマンションの管理主任の男性が映しされていた。

『あ、〇号の藤本様ですね。恐れ入ります、防災センターの者ですが』 「はい、藤本ですが……何かありましたでしょうか?」 『ええとですね、先ほど午の引越し両が庫されたばかりなのですが、エントランスの寄せに、もう台、別の引越し業者様の型トラックが到着されまして。「〇号への搬入だ」と仰っているのですが、本の搬入予約は午の枠のみとなっておりまして……ご確認いただけますでしょうか?』

「……え?」 私は受話器をに当てたまま、反射に健太の方を振り返った。 「健太、もう台トラックが来てるって言ってるけど……私たち、午の便で全部運び終わったわよね? 何か別の荷物、頼んでたの?」

健太は私の線を受けると、まるで悪戯が見つかった子供のように喉をさく鳴らし、「あ……」とく息を漏らした。 そして、私の目を真っ直ぐに見ようとせず、のフローリングの目を睨みつけながら、ぼそりと呟いたのだ。

「……親の」

「え? 何?」 「親の荷物だよ」

健太のから発せられた単語のが、私の脳の表面を滑り落ちていく。 親の荷物? 私の両親は、さっきぶらで帰っていった。

広告

ならば、誰の親だというのか。 「ちょっと待って、親の荷物って何よ? 誰の荷物が届いたの!?」 私が問い詰めるよりく、リビングの窓のから、型ディーゼルエンジンの唸りと、エアーブレーキの抜けるようなプシューというい排気音が階から響いてきた。

健太は私の追及から逃れるように、りで玄関の方へ向かおうとした。 私は受話器を放りし、リビングの掃きし窓へ駆け寄って、真のエントランスを見ろした。

そこにまっていたのは、まさに緑の巨な引越しトラックだった。 作業員がバックドアをけ放ち、荷台から引き摺りしたもの――それは、千葉の義実の主寝にあった、あの使い古されたダークブラウンのダブルベッド。 そして、私の畳の仕事部にぴったり収まるサイズに計算されたかのような、義両親の巨なタンスだった。

背で玄関の鍵がガチャリとく音がした。 「健太!! 止まりなさい! 説して!!」 私の絶叫にい声に、ドアノブを握った健太の背がピクリと直した。

健太は振り返ることなく、苛ちを隠そうともせずにく息を吐き捨てると、信じがたい言葉を酷に吐きした。

「今からうちの親もむから。親孝なんて当然だろ」

その瞬、エレベーターホールの方から、楽しげに談笑するの音がづいてきた。

「あら、健太! いてるわよ! 彩佳さーん、着いたわよー!」 甲い義母の声が、居の廊に吉に霊した。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: