"義妹が奪った父のベンツ――事故の電話で義母が絶句" 第9話
もうの女
翌朝、私は娘の奈緒と駅の喫茶で会いました。
に結婚してをた奈緒は、私の顔を見るなり眉をひそめました。
「お母さん、痩せた?」
「しだけ」
「何があったの」
私は最初、娘に余計な配をさせたくありませんでした。
けれど、もう族の体面を守るために真実を隠す段階ではありません。
私はのこと、美穂の借、健が保険の受取変更を試みた疑いがあることまで話しました。
奈緒は最まで黙って聞いていました。
そしてゆっくりコーヒーカップを置きました。
「私、から言おうか迷ってたことがある」
「何?」
「お父さん、女のいるとう」
胸の奥が沈みました。
驚きはありませんでした。
むしろ最のピースが置かれたような覚でした。
奈緒は数か、仕事帰りに健が若い女性と駅のホテルへ入るところを見たそうです。最初は取引先かもしれないとい、私を傷つけたくなくて黙っていたと言いました。
「写真ある?」
「ある」
娘はスマートフォンを差ししました。
画面には健と代くらいの女性が並んで歩く姿が映っています。
距のさを見れば、仕事関係ではないことはらかでした。
私はその画像を戸先へ送りました。
「お母さん」
奈緒が配そうに私を見ました。
「丈夫?」
「うん」
議なくらい、涙はませんでした。
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の結婚活が壊れたからしいのではありません。
もっとから壊れていたものを、ようやく自分の目で確認しただけだからです。
帰宅すると、健のジャケットが玄関に掛かっていました。
今は仕事のはずなのに、昼に戻ってきています。
「いですね」
「体調悪くて」
そう言いながら、夫からかすかに甘いの匂いがしました。
娘の写真に写っていた女性がつけていたものかどうかは分かりません。
けれどもう、確認する必もありませんでした。
夕方、美穂が退院しました。
子は娘をまるで病のように扱い、私に事を作れ、布団を用しろと指示しました。
私は淡々と最限だけ済ませました。
「由美さん。昨のことは美穂も反省してるから」
子が言いました。
「何を反省しているんですか?」
「だから……を勝に使ったことよ」
「売ろうとしたことではなく?」
義母の顔が歪みました。
「族なんだから、そんな細かいことをいつまで言ってるの」
私は笑いそうになりました。
族。
彼女たちは都が悪くなるたび、その言葉を使います。
夜過ぎ。
私は自で録音データを理していました。
すると廊から、健と子の会話が聞こえました。
「美穂が余計なことを喋ったらどうするのよ」
「俺に言うなよ」
「あなたが丈夫だって言ったんでしょう!」
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「俺はをに換えればいいって言っただけだ」
「保険の話をしたのは誰よ」
沈黙。
私は録音を握りました。
そして健がい声で言いました。
「由美がいなくなれば、全部丸く収まるとっただけだ」
臓がく打ちました。
子が何か言い返します。
「そんな言い方しないでよ。私たちはただ……」
「もういい。俺は関係ない」
夫はそこで会話を打ち切りました。
私はベッドのに座り、録音を止しました。
事故に見せかける。
保険。
借。
夫の。
まだ全部がつの犯罪計画だったと断定することはできません。
しかしなくとも、こののが「私がいなくなれば都がいい」と考えていたことだけは分かりました。
私は戸先へ音声を送りました。
数分、返信が届きました。
《の朝、をられますか。もう分です。これ以で抱えないでください》
私はその文章を読んで、初めてさく笑いました。
そうだ。
もう証拠は分ある。
私は彼らが何をするか最まで見届ける必などない。
けれど翌朝、事態は私の予を超える方向へきました。