"義妹が奪った父のベンツ――事故の電話で義母が絶句" 第6話
事故に遭った女
美穂は幸い命に関わる状態ではありませんでした。
交差点で別のを避けようとしてガードレールへ接触し、のため病院へ搬送されたものの、きな傷はなかったそうです。話をかけてきた病院職員は、内に残されていた連絡先や本の説から族へ確認を取ろうとしていました。
子は説を聞くと、今度は「今すぐ娘のところへく」と騒ぎ始めました。
つい数分まで「治療しなくていい」と言っていたと同じ物とはえません。
「由美さん、して。く」
私はきませんでした。
「あなたのでしょう。病院まで連れていってちょうだい」
「ベンツは事故現ですよ」
「じゃあタクシーを呼びなさいよ!」
子は私に鳴りました。
私はその顔を見ながら、ずっと繰り返してきた関係に気づきました。
何が起きても、最は私が何とかする。
病院も、借も、事も、親戚付きいも。
だから彼女たちは、自分が何をしても最終には私が始末をすると信じていたのでしょう。
「自分でってください」
私がそう答えると、子は目を丸くしました。
「何ですって?」
「タクシーならご自分で呼べますよね」
「娘が事故に遭ってるのよ!」
「だからってあげてください」
私は録音をエプロンのポケットに戻しました。
「私は戸先に会います」
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義母の顔が引きつりました。
「弁護士?」
「はい」
「何のために」
私は答えませんでした。
その、玄関のチャイムが鳴りました。
ドアをけると、偶然とはえないほど良いタイミングで戸先がっていました。話で状況をらせた直、くにいたため寄ってくれたのです。
子は弁護士という肩きを聞いた瞬、らかに態度を変えました。
「族の問題ですから、にをしていただく必はありません」
「森田さんの財産に関する問題ですので、すでに族だけの問題ではありません」
戸先は静でした。
「先ほど事故に遭ったですが、所者の許なく第者への譲渡を試みた能性が確認されています」
子の顔が固まりました。
「何のこと?」
「美穂さんが今朝、を処分しようとしていた件です」
「らないわよ。あの子が勝に……」
予通りの言葉でした。
昨まで「美穂のため」と私の鍵を奪ったが、問題が起きた途端に娘を切りそうとしています。
戸先は机のに枚のを置きました。
「それともう点。美穂さんが接触した業者から確認が取れています。昨も同じを持ち込んでいますね」
子は黙りました。
「その、緒にいた女性がいたそうです」
義母の指先が震えました。
「齢や特徴も聞いています」
「だから何よ」
「あなたとよく似ています」
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子はを閉じました。
私はそこで初めて、彼女が昨美穂と緒に倉庫へっていた理由を理解しました。
で売却の相談をしていた。
そして今、類なしでは無理だと分かっていながら、再び何らかの形でをに変えようとした。
けれど疑問はまだ残っています。
事故の連絡を受けた、子はなぜ事故に遭ったのが私だとったのでしょう。
私がその疑問をにすると、義母は急に目をそらしました。
「勘違いしただけよ」
「私はにいると話で言いましたよね」
「忘れてたのよ」
「話の直ですよ」
「うるさいわね!」
子がちがりました。
「娘が事故に遭ってるのに、そんな細かいことを!」
その瞬、戸先が静かに言いました。
「では病院で美穂さん本にも確認しましょう」
義母のきが止まりました。
その反応だけで分でした。
美穂は何かをっている。
そして子は、それを私たちに話されることを恐れている。
、病院へ向かった私は、処置を終えた美穂と対面しました。
ベッドのの義妹は私を見るなり、顔を背けました。
「美穂さん」
返事はありません。
「今朝、どこへこうとしていたの?」
しばらく沈黙したあと、美穂の肩がさく震えました。
そして、かすれた声で言いました。
「……お兄ちゃんに聞いて」
私はその言で、すべてが次の段階へんだことを悟りました。