"義妹が奪った父のベンツ――事故の電話で義母が絶句" 第3話
目
夫の名を聞いた、私は驚いたというより、妙に納得していました。
健が本当に何もらないのなら、昨夜の美穂の自然な態度にも、今朝の子の類の求にも、もうし疑問を持ったはずです。ところが夫は度も妹を問い詰めず、むしろ私に「類をしてやれ」と言いました。
らなかったのではありません。
っているから、触れなかった。
そのの午、戸先の事務所へ向かいました。
机のには、私がこれまで残してきた記録が並んでいます。計から消えた額、義母の発言、美穂宛ての督促状の写真、そして夜の会話を録音した音声です。
戸先は通り確認すると、鏡をしました。
「美穂さんの借について、かなり状況が悪いようですね」
「額まで分かるんですか?」
「正式な調査ではありません。ただ、あなたが見つけた類と本たちの発言をわせると、額ではないでしょう」
私は頷きました。
ブランド品、旅、友との事。
美穂はずっと裕福な独女性を演じていました。義母も親戚のでは、「うちの美穂は自由にきているだけ」と自していました。
けれど実際は違った。
支払いのために別の借り入れをね、ついには姉のまでに換えようとしている。
「それと、ご主についてもうつあります」
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戸先が枚のメモを私のに置きました。
「あなたの命保険について、受取変更に関する問いわせをしている形跡があります」
私は言葉を失いました。
現の受取は、成してをている娘の奈緒です。
結婚当初は健にしていましたが、数、夫婦関係がえ込んだことをきっかけに変更していました。
「変更されたわけではありません。なくとも現確認できる契約内容では娘さんのままです。ただ、ご主が受取を自分へ戻せないか調べていた能性があります」
どうして。
に浮かんだのは、その言でした。
を売ることと、私の命保険。
つに何の関係があるのでしょう。
私は入院したのことをいしました。
通帳はどこだ。
印鑑はどこだ。
健が聞いたのはそれだけではありません。
退院した数、夫から「保険会社から何か郵便来てなかった?」と聞かれたことがありました。
当は気にも留めませんでした。
「先。まさかといますけど……」
「今の段階で推測だけを膨らませるべきではありません」
戸先は私の言葉を遮りました。
「ただし、ご自の全を優先してください。相の目が分からない以、で追及しないことです」
私は頷きました。
帰宅すると、子と美穂はまだ戻っていませんでした。
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健も残業だと連絡してきました。
静かなのを歩いていると、のでが止まりました。
子の部の襖が数センチいています。
その隙から、さな机のに茶い封筒が見えました。
の部を探るつもりはありませんでした。
けれど封筒の横に、見覚えのあるの写真が置かれていました。
父のベンツです。
私は廊からスマートフォンを取りし、見える範囲だけを撮しました。
写真の横には業者の名刺がありました。
所は港の倉庫。
昨夜、GPSの赤い印が止まっていた所と致しています。
その、玄関がきました。
私はすぐに自分の部へ戻りました。
廊の向こうから、美穂の苛った声が聞こえてきます。
「だからまでって言われてるの。もう待ってくれないのよ」
「落ち着きなさい。健が何とかするって言ってるでしょう」
子が答えました。
私は静かに録音のスイッチを入れました。
「でもお兄ちゃん、本当に丈夫なの? 由美さんにバレたら……」
「丈夫よ。あの子は今まで度だって本気で逆らったことがないでしょう」
義母の声には、迷いがありませんでした。
の私のは、彼女ので「何をしても反抗しない女」という確信に変わっていたのです。
そして次に聞こえた健の名が、私の最の期待を打ち砕きました。
「の午にをせばにうって、健も言ってたじゃない」
夫は完全に関わっている。
私はベッドの端に座り、目を閉じました。
やがて廊の向こうで子が笑いました。
「由美には、ちょっと事故でもあったとわせればいいのよ」
私はゆっくり目をきました。
事故。
その言だけが、気なほどに残りました。