"昭和39年、給食費泥棒にされた少女" 第11話
目の謝罪
調査の最終報告がされたのは、平成のだった。
町は、昭度の学会計について、保資料をもとに確認した結果を公表した。
数の増し請求。
共同炊事への支の透さ。
寄付の適切な管理。
そして、当の学側が児童の盗難疑惑を分な根拠なしに扱っていたこと。
すべてが、報告に記された。
私は、その文を受け取っても、すぐにはべなかった。
というは、あまりにもかった。
学を転した私のは、もう戻らない。
父が受けた侮辱も、母が流した涙も、消えるわけではない。
それでも、事実が公の記録に残ったことには、きながあった。
私は、報告を父に見せた。
父は鏡をかけ、ゆっくり読んだ。
そして、さく言った。
「これで、やっと終わったな」
私はうなずいた。
「うん」
父は、もう度文を見た。
「でも、子。おは本当に頑張ったな」
私は笑った。
「お父さんが、あのとき信じてくれたからだよ」
父は首を振った。
「親が子どもを信じるのは、当たりのことだ」
私は、その言葉を聞いて泣きそうになった。
、父だけは私を疑わなかった。
教で誰も信じてくれなかったとき、父は私のを取って帰った。
あのときの温かさが、今も残っている。
数、町では学の歴史に関する説会がかれた。
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私は、資料理に関わった者として席した。
会には、昔の教員や保護者、域のたちが集まっていた。
そのに、杉本正彦の姿もあった。
正彦は、以よりも疲れた顔をしていた。
調査報告が公表されてから、父親の業績について町で議論が起きていた。
私は、正彦がどんないでそこにいるのか分からなかった。
ただ、私自は事実だけを話そうと決めていた。
説会では、町の担当者が報告の内容を説した。
そのあと、森先がちがった。
会が静かになった。
先は、さく礼した。
「私は、昭当、組の担任をしておりました」
声は震えていた。
「岸田子さんが費を盗んだとされた件について、私は当、分な根拠がないことをりながら、本に謝罪を求めました」
会のたちが顔を見わせた。
先は続けた。
「私は、先の指示に従いました。しかし、指示があったからといって、私の責任がなくなるわけではありません」
私は、先を見つめていた。
、あのは教壇のから私を見ろしていた。
今、同じが勢ので、自分の違いを話している。
「岸田さんは、何度も盗んでいないと言いました。それなのに、私は信じませんでした」
森先は、くをげた。
「岸田子さん。そして、ご族の皆様。
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本当に申し訳ありませんでした」
会は静まり返った。
私はすぐにはちがれなかった。
謝罪を受けるが来るとはっていなかったからだ。
やがて、私はゆっくりった。
「森先。お話しいただき、ありがとうございます」
私は度息をえた。
「私は、あののことを忘れられませんでした」
会のたちが、こちらを見た。
「教で棒と呼ばれたことも、友達がれていったことも、父のに噂が広がったことも」
私は続けた。
「今、先が謝ってくださったことには謝しています。でも、すぐにすべてを許せるかどうかは、まだ分かりません」
森先はうなずいた。
「それで結構です」
私は言った。
「ただ、これからは、同じようなことを繰り返さないでほしいといます」
私は会を見渡した。
「子どもが何かを訴えたとき、の都で黙らせないでください。証拠がないのに、みんなので犯にしないでください」
それだけ話して、私は席に戻った。
会から拍が起きた。
私は、その拍を嬉しいともしいともわなかった。
ただ、い胸のにあったものが、しずつ軽くなっていくのをじた。
説会が終わると、杉本正彦がづいてきた。
「岸田さん」
私は振り返った。
正彦は、しばらく黙っていた。
やがて、をげた。
「父のことで、ご迷惑をおかけしました」
私は答えた。
「杉本さんも、当のことを覚えていらっしゃるんですよね」
正彦はうなずいた。
「ええ。私は、父に頼まれて類を運んでいました」
「の裏で?」
「そうです」
私は、の正彦の姿をいした。
箱を抱え、私を見るなり蓋を閉めた。
「私のことを、父親に話したんですか」
正彦は、し迷ってから答えた。
「話しました。岸田さんが帳簿を見ていた、と」
「それが、私を棒にするきっかけになったんですね」
正彦は目を伏せた。
「父が何をしようとしていたのか、当は分かりませんでした」
私はうなずいた。
「そうでしょうね。あなたも子どもでしたから」
正彦は、し顔をげた。
私は続けた。
「でも、今は違います。になってからも、あなたは調査を止めようとしました」
彼は何も言わなかった。
「そのことについては、どう考えていますか」
い沈黙のあと、正彦は言った。
「父の名誉を守りたかったんです」
「私にも、守りたいものがありました」
私は静かに答えた。
「自分の名です」
正彦はくをげた。
「申し訳ありませんでした」
私は、その謝罪を聞いた。
けれど、何も答えなかった。
許すかどうかを、そので決める必はなかった。
帰り、文と緒になった。
文は、私の隣を歩きながら言った。
「子ちゃん。本当によかったね」
私はうなずいた。
「ありがとう」
文は、し迷ってから言った。
「私たち、また友達になれるかな」
私は歩く速度を緩めた。
、私たちは毎緒にをべた。
同じ机で宿題をし、帰りに寄りもした。
けれど、あの、文は私を信じてくれなかった。
その事実は、なくならない。
私は答えた。
「しずつなら」
文は、ほっとしたように笑った。
「うん。それでいい」
私たちは、昔の商をゆっくり歩いた。
あのころと同じだった。
けれど、もう歳の私たちではなかった。