"葬儀3日後、姑に追放された私に亡き夫からの連絡" 第17話
娘の涙と、父の抱擁
午。 私たちは、親友の恵子の実がある郊の宅へとをらせた。 れのに通されると、そこには恵子の両親に囲まれて、さな背を丸めて座っている咲の姿があった。 テーブルのには、昨夜持ちしたボストンバッグから取りした、直の仕事用帳と、あの族旅の写真てが置かれていた。
「咲」 私が静かに引き戸をけて声をかけると、咲はハッと顔をげた。 その瞳は赤く腫れがり、元には読みかけの文庫本が握られていた。 「お母さん……! の調べ事、終わったの……?」
「ええ、終わったわ。……咲、約束を守るために、帰ってきたがいるのよ」 私が廊の脇へ退くと、カツン、カツンと、ぎこちない松葉杖の音がづいてきた。
襖の隙から現れた。 にい包帯を巻き、痛々しい傷を負いながらも、優しく目を細めて微笑む男。
「咲。……遅くなって、ごめんな」
咲の呼吸が止まった。 から文庫本がポロリと畳のに落ちる。 瞳を極限まで見き、ちがろうとしてをもつれさせ、にをついた。 「お……お父……さん……?」
「ああ、お父さんだ」 直は松葉杖を放りし、膝をついて両腕をきく広げた。 「嘘じゃない。お父さん、ちゃんときて帰ってきたよ」
「お父さんッ!!」 咲は弾かれたように叫び、直の胸へとび込んだ。 さな体が激しくぶつかり、直は痛みに顔をしかめながらも、娘の背を折れんばかりの力で抱きしめ返した。
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「うわああああん! お父さん! お父さんお父さん!!」 れの部に、咲の慟哭が響き渡った。 の夜の恐怖、父親を失った絶望、理尽にを追われた孤独。 そのすべてを吐きすように、歳の女は父親の胸のシャツを涙でぐしゃぐしゃに濡らしながら、泣き叫び続けた。
「ごめんな、咲。寂しいいをさせて、本当にごめんな……!」 直もまた、娘の髪に顔を埋め、粒の涙をボロボロとこぼした。 「国語の発表会、頑張ったんだろ? お父さん、聞きたかったよ。おがどんな本を選んで、どんなに話したのか……全部、聞かせてくれ」
「うん……! うん……! お父さんのために、いっぱい練習したんだよぉ……!」 抱きう父と娘の姿を、恵子とその両親が涙を拭いながら見守っていた。 私は胸にを当て、く息を吐きした。 たいの夜、駅のベンチで凍えそうになっていたあのが、今、温かなによってきされていくのをじていた。
だが、失われたものを取り戻す戦いは、これで終わりではなかった。 私たちには、過の歪んだ族関係を完全に清算し、しい未来を築くための、最の決断が残されていたのだ。